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巨大ロボットアニメ戦国時代だった「1976年」 やたら多かったロボの背後に「大人たちの思惑」が?

巨大ロボットアニメ戦国時代だった「1976年」 やたら多かったロボの背後に「大人たちの思惑」が?


東映による1976年のロボットアニメ『大空魔竜ガイキング』DVD4巻(東映)

【画像】「えっ」「カッコいい…のか?」これが今見ると意見が分かれそうな、1976年の主役ロボです(6枚)

『マジンガーZ』一強の状態に、次々とライバルが参入

 今から半世紀前の「1976年」、この年は巨大ロボットアニメの「戦国時代」突入といっても過言ではない年でした。実際、1976年に放送された巨大ロボアニメを見ていくとよくわかります。

 巨大ロボアニメブームの火付け役といえば1972年に放送開始した『マジンガーZ』でしょう。しかし、それに続く作品がすぐに放送されることはなく、長らく一強時代が続きました。

『マジンガーZ』に続くロボットアニメは、1974年放送の『ゲッターロボ』と『グレートマジンガー』まで待つことになります。しかし、これらの作品は全て、制作は東映動画(現在の東映アニメーション)、原作は永井豪先生とダイナミックプロ、スポンサーはポピー(現在のバンダイ)という鉄壁の布陣でした。

 この牙城を初めて崩す動きがあったのは、1975年になってからです。東北新社制作の『勇者ライディーン』と、スポンサーがタカラ(現在のタカラトミー)の『鋼鉄ジーグ』の両作品でした。

 これら他企業が参入したのが1975年だとすると、その動きが活発になったのが1976年になります。本家ともいえる東映動画からは『大空魔竜ガイキング』と『マグネロボ ガ・キーン』の2本が続けて制作されました。

 他にもタツノコプロ初のロボットアニメといわれる『ゴワッパー5 ゴーダム』、元祖巨大ロボアニメ『鉄人28号』以来、13年振りにエイケンが制作した『UFO戦士ダイアポロン』、ダイナミックプロが企画に入ったナック制作による『グロイザーX』、日本アニメーションと葦プロダクションの共同製作である『ブロッカー軍団IV マシーンブラスター』などです。

 ここに東映動画の親会社にあたる東映が創映社(後のサンライズ)に制作を委託した『超電磁ロボ コン・バトラーV』がありました。ちなみに創映社は前年に『ライディーン』でも制作を委託されていた経緯があります。

 こうして一気に巨大ロボアニメが増えた1976年ですが、その要因には、大人の事情がありました。


1977年放送の『ヤッターマン』も巨大ロボの影響が? 他社とは一線を画する動物型ロボが大活躍した。画像はアニメ『ヤッターマン』DVD Vol.2(松竹ホームビデオ)

玩具会社ごとに並べると、一目瞭然?

 巨大ロボアニメが増えた要因、それは当然ながら、子供たちに人気があったからです。そして、それを踏まえた玩具業界の思惑がありました。

『マジンガーZ』のヒット以降、「超合金」と「ジャンボマシンダー」といった商品が子供にとって憧れのオモチャとなります。これに倣って各玩具会社は超合金的なオモチャをこぞって発売していました。

 しかし、やはりTVアニメで放送している主人公ロボというのは、子供の目から見て別格です。そこで付け焼き刃のように合金を使ったオモチャよりも、アニメのスポンサーとしてTVで活躍するロボの商品で勝負しよう……という機運になったのが、奇しくも1976年に重なったと考えられます。

 そこで、玩具会社ごとに1976年に放送された作品を見ていくと…

・ポピー:『UFOロボ グレンダイザー』、『大空魔竜ガイキング』、『超電磁ロボ コン・バトラーV』
・タカラ…『ゴワッパー5 ゴーダム』、『マグネロボ ガ・キーン』
・ブルマァク…『UFO戦士ダイアポロン』
・中嶋製作所…『グロイザーX』
・タケミ…『ブロッカー軍団IV マシーンブラスター』(一部はブルマァク)

 …となります。

 各玩具会社がこぞって命運をかけたといえるかもしれません。さらにこの流れは翌年に波及しました。特撮作品にも『大鉄人17』や『小さなスーパーマン ガンバロン』といった巨大ロボが活躍する作品が登場します。

 また主役側メカがマシンから巨大ロボになった『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』も影響を受けたといえるでしょう。スポンサーのタカトクトイスは上記の作品群には名前が挙がっていません。既存の作品の軌道修正として、巨大ロボを登場させた可能性があります。実際、『ヤッターマン』のオモチャはシリーズでも特筆するヒットとなりました。

 1976年の巨大ロボアニメ戦国時代は子供にとって夢のような時代だったかもしれません。もっとも、この時から動いていた「スーパーカーブーム」と、すぐ後にヒットした『宇宙戦艦ヤマト』で、子供にとっての選択肢はさらに混沌となっていくのでした。

配信元: マグミクス

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