大相撲は初場所(1月11日初日・東京両国国技館)から大荒れの予感。一強時代到来かと思われた横綱・大の里に、暗雲が垂れ込めているからだ。
2025年は3度の優勝で、年間71勝を達成。日本出身横綱としては1997年の貴乃花以来となる、年間70勝到達での最多勝となったが、昨年の九州場所13日目、安青錦戦で左肩鎖(けんさ)間節を痛めた。
「肩甲骨と鎖骨を繋いでいる関節で、力士にとっては職業病のひとつです。現役時代に脱臼に苦しんだ元横綱・千代の富士も、この関節を痛めた、やっかいなケガです」(相撲担当記者)
大の里は先場所、千秋楽になって2023年初土俵以来初となる「休場」を決意。この日は横綱対決で優勝が決まる大一番だった。NHKで解説を務める元小結・舞の海秀平氏は、
「私が大の里だったら、ケガをしたことを伏せて出場したと思う」
2001年夏場所14日目に敗退して全治2カ月と診断され、右膝亜脱臼の重傷を負いながら千秋楽の横綱対決に強行出場して優勝決定戦で勝った、元横綱・貴乃花の存在があるからだ。
「のちに貴乃花は『あの一番で負けたら引退してもいいと思った』と話しています」(前出・相撲担当記者)
大の里は22カ所で冬巡業(2025年11月30日から12月21日)を全休。クリスマスイブから稽古を再開したが、相撲協会関係者によれば、
「本場所へ向けて、他の部屋の力士と調整する大事な出稽古は未定。1月5日に行われる横綱審議委員会による稽古総見がひとつの目安になる」
横審の総見で力士と稽古をするかどうかは、本人の意思次第だ。左肩に爆弾を抱えながらの土俵となる大の里。悪化させたら一気に土俵生命にかかわってくる、まさしく綱渡りの1年になる。
(小田龍司)

