高市政権で財務相となった片山さつき参院議員の「衆院復帰説」が、自民党内で取り沙汰されている。かつては衆院議員だった片山氏だが、参院比例に転出していた。林芳正総務相や世耕弘成元経産相が総裁を目指して参院から衆院に転出したのに倣い、「ポスト高市」を目指そうとしているのではないか、というのだ。
片山氏は財務官僚出身ながら、財務相として「後輩」の財務官僚たちとうまくやっているか、自民党内には不安視する向きが多かった。ところが、いざ財務相に就任すると「後輩」たちに威圧的な態度を取ることもなく、今のところ不協和音は聞こえてこない。むしろ後輩たちは「先輩」である片山氏をしっかりと支えている。
財務省OBは片山氏を次のように評価する。
「同じ財務官僚出身の加藤勝信前財務相よりも、はるかに華がある。予想したよりもいい意味で財務省をPRしてくれており、国会答弁や記者会見もそつなくこなしている」
そうした評価は自民党に伝わっており、片山氏の衆院復帰説につながっている。自民党閣僚経験者が言う。
「まだ66歳の片山さんは財務相をしっかりと務めれば、総裁候補として有資格者となる。参院議員でも総理にはなれるが、林さんのように衆院議員になることは、事実上の条件。空いている選挙区から落下傘候補として出馬すれば、彼女の知名度だったら勝てるのではないか」
片山氏は2005年の「郵政選挙」で、小泉純一郎首相(当時)から衆院静岡7区に「刺客」として送り込まれた。現政権下で経済財政担当相となった城内実氏と戦って勝利し、2009年は城内氏が勝利した。この時、敗北した片山氏は比例復活できずに議席を失い、2010年の参院選で復帰している。
予算委員会では高市早苗首相の隣に座る片山氏。隣の席に移ることをにらみ、衆院転出を決断するか。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)

