いつか終わりが来ることはわかっている

いつか彼女が出来たら…(写真:iStock)
ある夏の日のデートでは――。
「汗でTシャツがびしょ濡れになった和也に、『汗臭いわよ。買ってあげるから着替えて』と言ったら、『僕、GUが好きなんだ』と。990円のTシャツで大喜び。そんな安上がりなところも可愛いですね。その日は『せっかくだから、そのTシャツに似合うパンツも買ってあげる』と、2900円のパンツもプレゼントしました」
さらに、クリニックの大掃除で不要になった家電を『まだ使えるのにもったいない。独身寮に持っていきたい』と、同僚の車で取りに来たこともあった。
「ミニ冷蔵庫や電子レンジを一緒に運んで、汗だくになって大笑い。本当にピュアで癒される可愛いペットそのものです。
――でも、この関係にはいつか終わりが来るでしょう。和也に素敵な彼女ができたら、笑顔で送り出すつもりです。私には事実婚の夫という帰る場所もありますから」
そう語る瞳さんは、穏やかにほほえんだ。
誰も傷つけず、傷つかない――そんな「いいとこ取り」の不倫も確かに存在する。それは時として、結婚以上に「甘美な関係」と映るのかもしれない。
(蒼井凜花/作家・コラムニスト)
