【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。
今回ピックアップするのは、オダギリジョーさんが脚本・演出・編集を務めたオリジナルのテレビドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(NHK)の劇場版映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』(2025年9月26日公開)。シーズン1、2ともに大人気で「東京ドラマアワード2022」(単発ドラマ部門作品賞グランプリ)など、数々のテレビ賞を獲得した人気ドラマのです。
ですが、私はドラマ未見のまま、試写で鑑賞。それでも「観てよかった!」と心から思うほど楽しかったんです! それでは、物語から。
【物語】
狭間県警鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平(池松壮亮さん)の相棒の警察犬はオリバー(オダギリジョーさん)。
周囲の人からは普通の犬に見えるのですが、どういうわけか一平だけには、たばこと酒と女の人が大好きでやる気がなく、慢性鼻炎の犬の着ぐるみを着たおじさんに見えているのです。
ある日、隣の如月県から狭間県警鑑識課にカリスマハンドラーの羽衣弥生(深津絵里さん)がやってきます。スーパーボランティアのコニシさん(佐藤浩市さん)が行方不明になったため、捜査協力を求めてきたのです。
海に消えていったという目撃情報をもとに、一平たちは捜査を開始するのですが……。
【物語は摩訶不思議な世界】
本作の物語の中心にいるのは、スーパーボランティアのコニシさん。多くの人を助けてきたコニシさんのボランティア精神を大切に扱いつつ、そのコニシさんがいなくなったことで、大捜査が展開されるのです。
「コニシさんはどこに消えたのか」
その謎の鍵を握るのは、突然現れる謎のドア。そして捜査を展開しても、脱線することも多く、果たして本当に解決できるんか? と。でもその脱線がこの映画の面白さでもあるのです。

