クラシックを愛する人ほど、“黒”に慎重になる。けれど、上品さと洒落感を両立させる鍵もまた、この色にある。トラッドを知る人たちは、黒をどう自分のスタイルに落とし込むのか。今回は「35IVE SUMMERS」CEO/アーカイブニスト・寺本欣児さん流の着こなしに注目したい。
「35IVE SUMMERS」CEO/アーカイブニスト・寺本欣児さん|1964年生まれ。兵庫県出身。1989年にサーティーファイブサマーズを立ち上げる。創業35周年を迎えた昨年より、『継承』をテーマに、次世代へ自身の知見を伝えるアーカイブニストとして活動
ブラックスーツはあえてテトロンコットンを選ぶ

世界的なヴィンテージコレクターとして知られる一方で、フレンチ的な着こなしに定評の高い寺本さん。この日はブラックスーツながらも、ほどよく力の抜けたカジュアルな装い。その秘訣を教えてくれた。
「ブラックスーツの着方も大切ではあるのですが、それよりも優先するのが生地ですね。どうしてもフォーマルな印象になってしまうので、僕はあえて60年代に洗濯可能として売り出された“ウォシュンウエア”で使われているテトロンコットンのブラックにしています。コーディネートにおいては、あえてチマヨに代表されるアメリカの牧歌的なハンドウーブンのタイを合わせてみたり、ドレスとは相反するものを合わせるのも一興だと思いますね」
【着用アイテム】アナトミカのメイド トゥ メジャー


生地の選択や体型に合わせたパターンオーダーが可能なアナトミカのスーツ。寺本さんは、あえて化繊の入ったテトロンコットンでブラックスーツをオーダーしている。ベーシックな段返りの3つボタンで、パンツはバックルバック仕様。
【コーディネイトのポイント】Vゾーンでカジュアルに

スーツスタイルの決め手であるVゾーンに遊び心を入れるのも大事なポイント。この日はブラック×ベージュのチェックシャツを合わせ、タイはアメリカのハンドウーブンのウールタイをセレクト。あえてドレス的なものとは一線を画した。
(出典/「2nd 2025年12月号 Vol.215」)