人、知識、そしてフィールド、繋がることで世界が広がる
STEEP:人との繋がりという話が出ましたが、バレー券がきっかけで人間関係の変化はありましたか?
長崎:もしかしたら、いろんな人と繋がりができたことが一番大きな収穫かもしれません。
出会った方々はHakuba Valleyでシーズンを過ごすことがなによりも最優先というスタイルの方ばかりで、年に数回スキー場を滑る私の周りではまったく会わないような人達がほとんどで衝撃を受けました。
皆さんバックボーンが違うのに「バレー券」という共通項で知り合い、いろいろな話しを聞くとすごく面白かったり、なにより誰もが熱意が高いのに驚きましたし、刺激を受けました。学生だった自分には高額なバレー券ですけど(笑)、得るものはとても多かったですね。
會澤:仲間が圧倒的に増えましたね。ローカルの方とも知り合えて一緒に滑ることもでき、「あの沢は春先は危ないよ」とか、「明日は南風だからあっちのゲレンデがいいよ」とか、インターネットにはないリアルな情報をたくさん教えてもらいました。
滑りのスタイルも価値観も違う人たちと繋がれたことで、自分のスノーボードの世界がすごく深くなったと感じます。

STEEP:ひとつのエリアにそれだけ通い込むと、ゲレンデの見え方も変わってきますよね。
會澤:そうですね、日当たりの良い南向きの斜面は雪が緩むのが早いとか、逆に北向きの斜面はシーズンを通して雪質が良いとか。これまではそこまで意識が向きませんでしたが、通い詰めることで、地形の条件に気がつくようになりました。
長崎:風が抜ける尾根は雪が飛ばされて硬くなるけど、その風下地形には最高のパウダーが溜まるとか。そういうことが、滑りながら肌感覚でわかるようになってくるんです。シーズンを通して通うことで得られる、ゲレンデを見る「解像度」が上がっていく感覚ですね。単にコースを滑るんじゃなくて、ゲレンデを探求するという面白さに目覚めました。

スノーボードライフを、より豊かにするバレー券
STEEP:お話を伺っていると、バレー券が単なるシーズン券ではないことがよくわかります。改めて、Hakuba Valleyの好きなところや好きなスキー場は?
會澤:やはり、天候などに合わせて、場所が選べるところでしょうか。 コンディションによって小谷、白馬、大町へ行くのを、臨機応変に選べるし、車を走らせれば、1時間圏内で移動できるのがいいところだと思います。

好きなスキー場は雪が降って積もっている時は、コルチナの板平コースが好きですね。コース幅も広くてきれいなバーンなので、気持ちよくパウダーが滑れます。圧雪斜面なら八方は一番練習になると思います。リーゼンやスカイラインは、斜度もあってコースも長いので、自分で頑張って滑らないといけないですね。あと、岩岳のゴンドラを回すルーティンも好きです。距離は長いし、サイドの壁は地形変化があって、楽しいです。
長崎:私にとってバレー券は、人生を変えた一枚ですね。関西から長野県へ移住もしましたし。もし、買っていなかったら、今もシーズンに数回滑るだけのライトユーザーのままだったと思います。スノーボードの本当の面白さ、奥深さを教えてくれました。

私の好きなスキー場は爺ガ岳ですね。スキー場の下部にはなだらかな一枚バーンが広がっていて、上部は距離は短いながら比較的地形も豊か。緩い斜度にあるツリーランコースや、リフト脇に設置されたパーク、ファミリー向けの施設など、幅広い層に向けて、とにかく優しいんですよ。シーズンはじめに八方へ滑りに行った時に、滑れなくて泣きそうになったので、スキル的には爺ガ岳で練習するのにはピッタリでした。あとは、バレー券を持っていたら、平日のカレーライスが無料だったこともポイント高いです、笑。
STEEP: 2人とも、貴重なお話を本当にありがとうございました。

