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『ばけばけ』モデルは「小泉セツ」なのに主人公「松野トキ」←全く被ってないのはなぜ? まだ描かれてないエピソードに由来があった

『ばけばけ』モデルは「小泉セツ」なのに主人公「松野トキ」←全く被ってないのはなぜ? まだ描かれてないエピソードに由来があった


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

【画像】え…っ! 夫婦で立って並ぶと「なんか小っちゃくてかわいい」 コチラが小泉八雲さん(ギリシャ出身)と小泉セツさん(日本人)の身長差です

奇跡的に名前っぽくなってた文章

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、1890年に来日し、『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・セツさんがモデルの物語です。
 
 そんな同作の主人公の名前は「松野トキ(演:高石あかり)」で、モデルの「小泉セツ」さんと被っている部分がありません。彼女の夫となる「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」は、ラフカディオ・ハーンさんと響きが似ていますし、ヘブンの同僚「錦織友一(演:吉沢亮)」も、モデルの西田千太郎さん(松江中学の教頭でハーンさんの親友)と「にし」までは同じです。

 今さらですが、なぜ小泉セツさんがモデルのキャラの名前が、響きが似ていない松野トキなのでしょうか。たとえば、ひとつ前の朝ドラ『あんぱん』の主人公は「朝田のぶ(演:今田美桜)」で、モデルの池田暢(のぶ)さん(旧姓)と似ている名前です。

 実は、これにはしっかりと理由がありました。セツさんとハーンさんのひ孫で、小泉八雲記念館の館長を務める小泉凡さんは、『ばけばけ』の撮影協力・資料提供としてもクレジットされています。そんな凡さんは、自身の著書『セツと八雲』のなかでトキの名前について由来を語っていました。

 ハーンさんはセツさんとの結婚生活のなかで、日本語の助詞や動詞、形容詞の活用を抜いた「ヘルンさん言葉」と呼ばれる独自の言語で会話していたそうです。そんな彼は、1896年に東京に移住してから、6度の夏を静岡県の焼津で過ごしていました。

 ハーンさんは亡くなった1904年の最後の夏にも焼津へ旅行に行っており、東京にいたセツさんに「スタシオン(stasion)ニ タクサン マツ ノ トキ アリマシタ ナイ ソノヨナ コドモ ニ ICE CREAM ヤル ムツカシ デシタ」という書簡を送っています。ハーンさんは新橋駅で子供にアイスクリームを買ってあげようとしたものの、焼津行きの列車の時間が迫っていたため、「タクサン マツ ノ トキ アリマシタ ナイ(待っている時間がなかった)」と綴ったのです。

 この手紙の「マツ ノ トキ」に由来して、松野トキというヒロイン名が生まれました。ちなみに凡さんの父であるセツさんの孫も、「時」さんという名前だったため、凡さんはトキに親近感を覚えているそうです。

『ばけばけ』も全125話の折り返しを過ぎており、この晩年のエピソードもいずれ出てくるでしょう。焼津旅行の場面にも注目です。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『セツと八雲』(朝日新聞出版)、『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)

配信元: マグミクス

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