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宇山佳佑さん(作家)が大橋和也さん(なにわ男子)に会いに行く

宇山佳佑さん(作家)が大橋和也さん(なにわ男子)に会いに行く

「愛らしさ」をまとって演じる

宇山 大橋さんは小説を読んでいて、この役をやってみたいと思うことはありますか。

大橋 しつこくタイトルを出しちゃいますが、『桜のような僕の恋人』です(笑)。ほんまにやりたかったんですよ。

宇山 そうなんですか! 晴人君を?

大橋 そうです。僕が読んだ時は主人公のほうが年上だったと思うんですけど、「この人、かわいいなー」と思ったんです。自分に当てはまるところもあるなと。二回読ませてもらって、一回目は第三者目線で、二回目は主人公の男の子に感情移入して読みました。感情を揺さぶられて、だんだんと自分で演じてみたいと思うようになって……。周りにも言っていたので、ネットフリックスで映像化されると聞いた時には、ちょっと悔しかったですね(笑)。

宇山 二度も読んでくださっただなんて……本当にありがたいです。ネットフリックスで映像化した『桜のような僕の恋人』は、大橋さんと同じ事務所の先輩の中島健人さんが晴人君を演じてくださいましたね。

大橋 「くそー、健人君かー!」って思いました(笑)。ほんまに言ってたんですよ。〝晴人役をやりたい〟って事務所の人にも。

宇山 すごく光栄です。ぜひいつか映像の世界でもご一緒したいですね!

大橋 宇山さんの小説で、僕に合いそうなキャラクターっていますか?

宇山 新刊の『風読みの彼女』の主人公・野々村帆高が合っているんじゃないかな。年齢的には今の大橋さんより少し下で、二十二歳という設定ですが、勝手ながら雰囲気がぴったりだなと。帆高君は物語冒頭、ある理由から引きこもっていて、ちょっとヘタレなところからスタートするんですよ。そんな彼がヒロインと出会って、様々な依頼を通じて成長してゆく……というお話なんですけど、憎めないヘタレを演じるのって、すごく難しいと思うんです。ある種のかわいさがないとできない。

 以前、大橋さん主演の『君がトクベツ』の映画を拝見したんですが、もともと持っていらっしゃる愛らしさというか、人懐っこさみたいなものがにじみ出ていました。すごくナチュラルで素敵に演じていらっしゃったので、大橋さんなら帆高君のこともチャーミングに演じてくださるような気がしています。

大橋 観てくださったんですか、ありがとうございます! 『君がトクベツ』で、僕は国民的アイドルグループ「LiKE LEGEND」(ライクレ)のリーダー・桐ヶ谷皇太を演じさせていただいたんですが、皇太はモロにアイドルで、モロに僕そのまんまやったんですよ(笑)。アイドルだということもそうですし、グループのリーダーという立ち位置もなにわ男子での僕と一緒。原作者の幸田もも子先生にも伺ったんですが、そもそも僕をイメージして描いてくださった部分もあるらしくて……! 自分に近い役なので、演じやすいといえば演じやすいんですけど、僕ではなく桐ヶ谷皇太として見てもらうにはどうしたらいいか、というところが難しかったです。

宇山 愛嬌があって、かわいらしくて自然でしたよ! 大橋さんは役を自分に引き寄せるタイプなんでしょうね。そうかと思うと、泣き崩れるシーンは真に迫っていて感動しました。演技の幅が広くて、すごいなと思いましたね。

大橋 その映画の後には、ドラマ『リベンジ・スパイ』という作品をやらせていただいたんですけど、復讐のために企業に潜入するという自分とは全く違うタイプの役で……。これはこれで演じていて楽しいなと思いましたね。

宇山 いろんな役をやってらっしゃる大橋さんを見てみたいです。意表を突いて悪役とかどうですか? たとえば殺人犯役とか、意外とはまったりしますかね(笑)?

大橋 実はめっちゃやってみたいです(笑)。犯人役は以前一回やらせていただいたんですけど、同情できるような犯人役だったので、いつかもっとサイコパスで非現実的な役、現実世界では絶対できないような役にチャレンジしてみたいなという気持ちはありますね。あと僕も宇山さんが書いたドロドロした作品も読んでみたいので、もし書かれた時はぜひ教えてください!

いつか小説を書いてみたい

宇山 新刊の『風読みの彼女』は、風は世界中の人々を見つめていて、そのすべてを記憶している……という設定なんです。ヒロインはその風の記憶を読み取って、瓶の中に閉じこめて、誰かに見せてあげることができるのですが、大橋さんはもう一回見てみたいご自身の記憶ってありますか?

大橋 自分の記憶を見たいというより、風の気持ちを聞いてみたいかもしれません。たくさんの人の歴史をずっと見てきて、何を思っているのかなって……。風はしゃべれないじゃないですか。風も動物も、スマホとかモノもそうですけど、僕、全部心があるんじゃないかと思うんですよ。だから気になります。風はどんなことを思いながら人間を見ているのかなって。

宇山 風って不思議な存在で、人間にとっては敵にも味方にもなると思うんです。ヨットや帆船は風がなければ進まない。でも時に人を傷つけることもある。そう思うと、風にも心があるような気がしてしまいますよね。
 僕自身は、風のような自然現象や植物をシンボルにして小説を書くことが多くて、『桜のような僕の恋人』は桜だし、『この恋は世界でいちばん美しい雨』は雨、『ひまわりは恋の形』はひまわりとか。

大橋 ほんまや! 言われてみれば……。

宇山 風については、いつかは書きたい題材でした。ふさわしい物語をずっと探していて、ようやく十年の節目に出す小説として書くことができました。

大橋 まだ読み切れてはいないんですが、これから最後まで読みたいと思ってます。
 実は、僕もいつか小説を書いてみたいと思っているんですよ。ただ、語彙力があまりないので、伝えたいことが伝わらない時があって……。でも文章を書くのは好きなので、一つでもいいから自分なりの小説を書いてみたいなと思っています。

宇山 そうなんですね! どんなお話を書かれるのか、ぜひ読んでみたいです! 大橋さんは本をたくさん読まれているし、ドラマや映画にも多く出ていらっしゃるので、語彙力とは別に起承転結のような物語の基本が身体に染みついていると思うんですよね。なので、きっと書けますよ!

大橋 短い話ならまだなんとか書けそうな気がするので、短編集みたいな本が出せたらいいなって思いますね。それにしても一冊の本を書くのって大変じゃないですか。これは早かった、これは時間がかかったって違いはあるんですか?

宇山 『桜のような僕の恋人』は早かったです。ただ、一度書き上げてから、推敲するのにかなり時間をかけました。読みやすくなるように何度も直して。あとは『この恋は世界でいちばん美しい雨』。この二つは早かったですね。そこから先の作品は時間がかかって苦戦してばかりです。『恋に焦がれたブルー』という作品から描写や表現により力を入れて書くようにしたので悩むことが増えました。さっき大橋さんは褒めてくださったんですが、特に書き出しが難しいんですよね。第一章とか冒頭の百枚ぐらいまで、なかなかキャラクターや物語がつかめなくて、何度も書き直したりということが多いです。

大橋 宇山さんは家で書かれるんですか。

宇山 家です。脚本家デビューした頃は喫茶店とか外でも書いていましたけど、今はそれが全然できなくなっちゃって。書いていて自分でも泣いたりするので、肝となるシーンは人に見られないように家で書かないとまずい(笑)。

大橋 えー! 自分で泣く時って、書いてからその文を読んで泣くんですか。それとも頭で想像して?

宇山 キーボードを打ちながらも泣きますし、直しながらも泣く(笑)。

大橋 すごっ! そうなんや。それだけ感情を込めて書かれているんですね。だから読者の自分も泣けたのかもしれません。

宇山 僕自身が泣けないものは、読者や視聴者もきっと泣けないと思っているので、自分の感情が動くことは書く上で大切にしています。

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