年末年始の番組にはいつも何ひとつ期待していないのだが、例年、楽しみにしているのが「志らく・伯山の言いたい放だい 元日SP」(TOKYO MX)だ。落語家の立川志らくと講談師の神田伯山が年に一度、元日に好き勝手なことをしゃべる番組で、2023年から放送されている。
番組のルーツは、かつて放送していた「談志・陳平の言いたい放だい」にある。志らくの師匠である立川談志と、放送作家で政治家でもある野末陳平が、西部邁や吉村作治、毒蝮三太夫らとともに、時事問題や世相を斬る週1の番組だった。
その精神を受け継ぐこちらの志らく&伯山版「言いたい放だい」。今年は時事ネタ・芸能話など、2025年の出来事から2人が5大ニュースを選び、それをもとにトークを進めていくものだった。
年末年始はやたら大人数で騒ぐだけの番組が目立つが、その中にあってこの番組は他に出演者はおらず、2人がただトークするだけというシンプルなもの。それでも1時間、ずっと見ていられるのは、言葉の職人、喋りのプロの成せる業だろう。
志らくによれば、彼は今、コメンテーターとして出演するワイドショーやSNSで高市早苗総理を擁護する発言をたびたびしており、「保守の星」と言われているのだと。これに薄ら笑いを浮かべながら「保守の星って言われてるんすか」と伯山。
さらに、志らくが有料配信サイト「DOWNTOWN+」に課金して見ているという話に対しても「お金払ってまで見てるのに、松本(人志)さんから全然オファーがないですよね」と、伯山が小馬鹿にしたような物言いをするのだ。
本人曰く「保守の星」だけでなく「東の志らく、西のほんこん」「志らく、ほんこん、北村晴男、フィフィは保守四天王」などと言われているとか。ネットの書き込みをいちいち気にしている志らくの口ぶりと小ささが…。
とはいえ、志らくもやられっぱなしではない。フワちゃんの女子プロレス再デビュー戦「12・29両国国技館大会」のチケットを5万円出して買ったという伯山に「『DOWNTOWN+』のお金は出さないのに?」とすかさずツッコミ、伯山が苦笑いする場面が。
この番組が面白いのは、談志の威を借りる志らくと、そんな志らくをちょくちょくからかう伯山、まるでトムとジェリーのようなやりとりにある。できれば事前収録ではなく、生放送でやってもらいたい。しかも週1レギュラーで。
(堀江南/テレビソムリエ)

