年末年始の京都で、観光地らしからぬ「異変」が起きている。きっかけは、いわゆる「高市台湾有事発言」をめぐる一連の流れだ。これに反発する形で中国からの観光客が激減し、例年なら書き入れ時のはずの京都市内のホテルが空室だらけに。年末にもかかわらず、1泊3000円から5000円という破格の割引プランを出すホテルまで現れた。
ところが、この「京都バーゲン」を見逃さなかったのが、大阪や兵庫など近隣エリアの旅行者たちだ。急きょ思い立ってやって来る、いわば「駆け込み旅行者」が年末年始にかけて急増したのだ。問題はその行動である。四条河原町周辺の大衆居酒屋で働く店員が嘆く。
「飛び込み客ばかりなので、どの飲食店も予約なしの客で溢れ返っています。もともと京都は年末年始に営業する店が少ないため、開いている店は夕方から長蛇の列に。待ちきれずに騒ぐ人、酔って絡んでくる人、女性客をナンパする人まで出てきて、現場は本当に大変です」
別の居酒屋店主は、観光客の「質の変化」を指摘するのだった。
「正直言って、ガイドブックを見てやってきて、きちんとルールを守る欧米人旅行者の方がマナーがいい。年末年始は泥酔状態で飛び込み、騒ぐ前提みたいな客を何人断ったかわかりません」
インバウンド減少で静かな京都を期待していた店側にとって、これは完全な誤算だった。観光客数は戻りつつあるものの、その中身は「近場ノリ」の宴会客が中心。結果、現場には疲労とストレスだけが蓄積している。
「観光が戻るのはありがたい。でも、マナーまで一緒に戻ってきてほしいですね」(先の居酒屋店主)
割引ホテルの裏側で、京都の夜は静かとは言い難い騒動に包まれている。
(京野歩夢)

