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「デジャヴだ」28年ぶりW杯出場のスコットランド。ブラジル、モロッコと同組でも悲観論が出ない理由は?【現地発】

「デジャヴだ」28年ぶりW杯出場のスコットランド。ブラジル、モロッコと同組でも悲観論が出ない理由は?【現地発】


 28年ぶりにW杯出場を決めたスコットランド代表。本大会ではブラジル、モロッコと同組という厳しい組合せ結果となり、スコットランド内では悲観的な意見が渦巻くと思いきや──決してそんなことはなかった。久々の大舞台に沸く、スコットランド国内の声をまとめた。

 まずワールドカップ出場の事実そのものが、すでに特別な意味を持つ。98年フランス大会以来、長く閉ざされていた世界への扉が再び開かれたのだ。

 そして大会の組合せが決まった瞬間、スコットランドでは独特の高揚感が広がった。ブラジル、モロッコ、ハイチ。C組に名を連ねた国々を目にし、多くのファンが口にしたのは「デジャヴ」という言葉だった。98年フランス大会で同組になったのがブラジル、モロッコ、ノルウェーの3か国だったからだ。

 ブラジルとの再戦が実現した。スコットランドは過去8回のW杯出場のうち、実に4回もブラジルと顔を合わせてきた。今回で5回目である。1974年の0-0から始まり、1982年、1990年、1998年と敗戦が続いているが、それでも「W杯といえばブラジル」との感覚が、地元ファンに深く刻まれている。

 そしてファンの感情を強く刺激しているのが、モロッコの存在だ。フランス大会のグループステージ最終節がモロッコ戦だった。当時、スコットランドとモロッコは、共に1分け1敗で最終節に挑んだ。グループステージ突破の可能性を残した状況で、モロッコとの一戦に臨んだわけだが、結果はスコットランドが0-3で完敗。失意と共にスコットランドは大会を去ることになった(※なお最終節でノルウェーがブラジルに番狂わせの勝利を収めたため、モロッコ、スコットランドの両チームが敗退となった)。地元紙デーリー・レコード紙は「98年大惨事への雪辱」と表現し、ファンもまた「復讐」「リベンジ」との言葉をSNSで発信している。

 組合せ抽選後にスコットランドの地元紙を開くと、サポーターのインタビューを数多く目にした。なかでも印象に残ったのは、スコットランド代表のサポーターグループで代表を務めるクリス・ギブソンさんのインタビュー。49歳の同氏はこう話した。

「ブラジルとモロッコが同組に入り、私は『起こるべくして起こった』と思った。98年の再現だ、とね。当然、今回の航空券はもう押さえた。スコットランドからダブリン経由で350ポンド(約7万円)。悪くない値段でしょ? 

 抽選でスコットランドの名前が出た瞬間、すぐにクリックしたんだ。最高だ。本当にワクワクしている。ブラジル戦は誰もが望むカード。ワールドカップといえばブラジルだからね。試合前後のパーティーは間違いなくすごく盛り上がるし、ブラジル人と一緒に騒ぐのが待ちきれない。

 ただ、ハイチ戦で取りこぼさないことを願うばかりだ。あそこに勝てば、グループ突破のチャンスは大きくなるから。僕はベスト16までのチケットをすでに手配してあるから、ぜひそこまで勝ち進んでほしい。この瞬間をずっと待っていた。早く向こうへ行きたくて仕方がない」
 
 スコットランド代表を追いかけるハミッシュ・ハズバンドさんも語気を強めた。

「素晴らしい組合せ。ブラジルとはこれまで74年、82年、90年、98年と対戦してきた。今回こそ“5度目の正直”になってほしい。サンバの国とは、すでに特別な関係を築いているから、試合は最高の雰囲気になるはずさ。

 モロッコについては、98年大惨事への復讐のチャンスだ。そして、ハイチのような“格下”とされる相手と対戦することに、喜びと同時に恐怖も感じている。過去を振り返れば、そういう相手こそが鬼門だったからね」

 今回のW杯で、スコットランドは米国の東海岸でグループステージを戦うことになった。

 ハイチ戦とモロッコ戦は、共にマサチューセッツ州ボストンが試合会場。最終節ブラジル戦は、フロリダ州マイアミで行なわれる。東海岸開催という地理的条件も、ファンの熱を後押ししているようだ。移動のしやすさや時差、そして何より大挙して渡航できることに、サポーターたちは喜びを感じているという。
 
 ではスコットランド代表はどんなチームか。

 基本フォーメーションは4-2-3-1。在任6年目のスティーブ・クラーク監督は、チェルシー在籍時代にジョゼ・モウリーニョ監督のアシスタントコーチを務めた経験があり、守備組織の構築に定評がある。

 中心選手はMFスコット・マクトミネイ。マンチェスター・ユナイテッド時代は守備的な役割を務めていたが、ナポリ移籍後は攻守両面で存在感を発揮。得点力とインテンシティを兼ね備え、今やイタリア国内で高く評価される選手へと成長した。代表でもボックス・トゥ・ボックスの役割を担い、攻撃のスイッチ役となっている。

 同じ中盤では、ジョン・マギン(アストン・ビラ)やビリー・ギルモア(ナポリ)が創造性を発揮。中盤の底ではルイス・ファーガソン(ボローニャ)が最終ラインをプロテクトする。

 また昨季までリバプールに在籍し、そのドリブル技術の高さから「スコットランドのメッシ」と期待されるベン・ドーク(ボーンマス)という若きウインガーも控える。彼らを主将としてまとめるのが、リバプールのSBアンドリュー・ロバートソンだ。
 
 個の派手さはあまりないが、明確な役割分担と連動性の高さがスコットランドの強みである。マクトミネイを中心に、組織力でまずはグループステージ突破を目ざすことになる。

 28年ぶりとなる「サッカーの祭典」への帰還。夢の舞台でブラジル、モロッコと再び相まみえることになった。今回のW杯は、スコットランドにとって挑戦であると同時に、過去と向き合う大会なのである。タータン・アーミー(スコットランド代表の愛称)の熱狂は、その両方を抱え込んだ結果なのだ。

取材・文●田嶋コウスケ

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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