
『機動戦士ガンダムZZ』の放送後、ガンダムシリーズはしばらくTVアニメがない時期が続いた。画像は「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダムZZ I」(バンダイナムコアーツ)(C)創通・サンライズ
【画像】「えっ、確かに」「言われてみれば」 これがガンダムアニメの「空白期」も人気を支えた【功労者】です(5枚)
ファン待望の「ガンダム続編」 その影で功績を残した者が…?
どんな人気作品もいつかは終わるものです。しかし、なかにはシリーズ化のはてに一大コンテンツにまでなっていくものもありました。『機動戦士ガンダム』(1979年)がまさにそうです。
もともとTVアニメ作品の『機動戦士ガンダム』は打ち切り作品でした。しかしファンの声を足がかりに人気を集め、劇場版へと結びつき、日本中を熱狂させるほどのブームとなります。そこにはさまざまな要因がありますが、一番大きなものは「ガンプラ」だったのではないかと考えます。
『ガンダム』のプラモデル、いわゆる「ガンプラ」は、TV放送終了後に模型会社「バンダイ」から発売されました。これが大ヒットとなり、ガンダムブームを支える大きな要因となります。
それまでのガンダムファンは中高生以上が多数を占めていたのですが、ガンプラのヒットにより小学生以下の子供たちが加わり、結果としてファン層の拡大につながりました。そして、ガンプラのヒットは独自の方向へとブームを導きます。
その結果、完結した『ガンダム』という作品は、続編『機動戦士Zガンダム』(1985年)へとつながりました。本来ならアニメの続編は作品の高い人気から動くものですが、『ガンダム』の場合はガンプラが大きく影響することになります。この関係は、後のシリーズにも引き継がれました。
そこからのガンダムシリーズの歴史を紐解いていくと、TVアニメが放送されなかった時もガンプラがシリーズを支え、大型コンテンツに育っていく要因だったことがわかります。

1996年放送の『機動新世紀ガンダムX』の後にも、TVアニメの空白期があった。画像は同作のDVD1巻(バンダイビジュアル)
次世代のファン層への「バトンタッチ」にも成功
『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)終了後、ガンダムシリーズは一時的にTVから姿を消しました。代わりに劇場版やOVAという形で新作は発信され続けます。レンタルビデオが普及した時代でもあり、それほど視聴は難しくありませんでした。
この時代にシリーズを支えたガンプラといえば、やはり「SDガンダム」シリーズでしょう。第1期ガンプラブームを支えた世代より下の、当時の小学生たちから好評を得ました。つまりガンダムファンの「世代交代」を成し遂げたわけです。
ちなみに第1期ガンプラ世代に向けた商品として、1990年に「HG(ハイグレード)」と呼ばれるシリーズが展開されました。これは当時の技術水準でリニューアルした1/144シリーズです。この商品が発売されたことが、ガンプラの歴史では大きな一歩となりました。
ここで生まれた「SD」世代に向けて、ガンダムシリーズのTVアニメは復活を果たします。その第1弾が『機動戦士Vガンダム』(1993年)でした。そして第2弾となる『機動武闘伝Gガンダム』(1994年)の登場で、SD世代の受け皿となるシリーズへとなります。
もっとも、後に「オルタナティブシリーズ」と名付けられた作品群は『機動新世紀ガンダムX』(1996年)で一度幕を閉じることになりました。しかし、ガンプラの進化はアニメの進行に関わらず進んでいたのです。
1995年にガンプラ15周年記念企画として登場した1/100サイズの「MG(マスターグレード)」は、当初は高級品としての立ち位置でした。その後、ガンプラ20周年記念企画として1998年には1/60サイズの「PG(パーフェクトグレード)」が登場し、より完璧なガンプラが模索されることになります。
この間、『∀ガンダム』(1999年)で単発的にTV作品として復活した後、新たなシリーズとして『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)が放送しました。この『SEED』が新たなガンダムファン層の獲得に成功します。
一般的に女性ファン人気の高さが指摘される『SEED』ですが、それと同じくらい小学生人気も高い作品でした。実際に300円クラスで発売された低価格帯のガンプラはヒット商品となり、関係者から「第1次ガンプラブーム以来のヒット」といわれるほどだったそうです。
これらの歴史を紐解いていくと、「ガンプラによる次代へのバトンタッチ」が上手く機能したことが、今のガンダムシリーズの知名度を支える要因だったことがわかるでしょう。現在、幅広い層でガンプラがもてはやされるのも、納得できるというものです。
