(5)最初の問題意識や、途中で生まれてきた疑問点に答える
苫野 最後に、最初の問題意識や、途中で生まれてきた疑問点に答えられるか試してみましょうか。
Aさん(高1) どうすれば自立できるのか、はっきり見えた気がします。まずは自分の意志を持つこと。だから、自分は何を意志するのかを、改めて考えたいと思いました。
Bさん(中2) そのために、どんな力が必要なのかを考えるのも大事ですね。経済的な力だけじゃなくて。
苫野 さっき、「自立とは依存先を増やすこと」って言ったけど、考えたらこれも、自分の意志を実現するための力の一つですね。たくさんの依存先が、自分の意志を実現するための力になるってことなんですね。
Cさん(大1) 「自立」と「自律」の違いや関係も見えた気がします。「自律」は自分で決めた規範に従うこと。これは「自立」の一つの条件と言えるのかなと。
Dさん(社会人2年目) 自立とは、自分の意志を実現する力を持つことである。そして自律は、その力の一つである、という感じですね。
苫野 いや〜本当にいい本質観取ができました。みなさん今日はありがとうございました。ご観覧いただいたみなさんも、ありがとうございました。
全員 ありがとうございました。
本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話
苫野 一徳、岩内 章太郎、稲垣 みどり
2025年11月17日1,056円(税込)新書判/256ページISBN: 978-4-08-721389-8自分とは異なる立場や考えの人と、いかに対話し、合意形成していけばよいのか分からない。
それどころか、深刻な信念対立を目の当たりにし、対話への希望を失ってしまう。そんな人は多いのではないだろうか。
本書は、「本質観取」と呼ばれる哲学の思考法・対話法を、誰もが実践できるようになるための入門書である。
分断をのりこえ、民主主義を成熟させるための対話の極意とは?
実践で活用できるワークシートや、ファシリテーションのコツなども収録。
社会学者 橋爪大三郎氏
とにかくわかりやすくて面白い。実例が豊富なので、
本質観取の哲学対話が、これで誰でもすぐできる。
独立研究者・著作家 山口周氏
対話を通じて、多様な他者と相互承認・共通了解へと至る「本質観取」の方法は、
多数の関係者を束ねるビジネスリーダーにこそ求められます。

