現地時間12月30日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガ2025-26コッパイタリアの準々決勝が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ スカイ・ペルージャは、クチーナ ルーベ・チヴィタノーヴァとホームで対戦。セットカウント3-1(25-17、22-25、25-22、25-16)で勝利を収め、準決勝進出を決めた。
レギュラーシーズン前半3位で出場のペルージャは昨年11月26日に行なわれたモンツァ戦以降、チャンピオンズリーグと優勝を飾った世界クラブ選手権を挟んだ11試合で無敗。準決勝で敗退した昨季の雪辱を果たすために負けられない戦いに挑んだ。
先発は、司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリとOPの元チュニジア代表ワシム・ベンタラ、MBがアグスティン・ロセルとセバスティアン・ソレのアルゼンチン、Lが元イタリア代表マッシモ・コラチ、OHにはポーランド代表カミル・セメニウクと元ウクライナ代表・オレフ・プロトニツキ。大阪ブルテオンを退けて頂点に立った世界クラブ選手権・決勝と同じメンバーを起用し、OH石川はベンチスタートとなった。
〈S:セッター、OH:アウトサイドヒッター、OP:オポジット、MB:ミドルブロッカー、L:リベロ〉
同6位チヴィタノーヴァの先発は、Sのマッティア・ボニンファンテ(イタリア)、ブルガリア代表アレクサンダル・ニコロフ、イタリア代表マッティア・ボットロとカナダ代表エリック・レプキーのOH3枚、MBにイタリア代表ジョバンニ・マリア・ガルジューロとベルギー代表ヴァウト・デヘア、Lはイタリア代表ファビオ・バラソ。ニコロフは個人部門別ランキングの得点、アタック決定本数とエースで2位、ボットロがエース5位、レセプションAパスで首位につける。チームスタッツでもサーブとレセプションでリーグ1位、アタック及び得点でも3位と上位にランクインするなど、ブロック以外のカテゴリーはすべてペルージャを上回る難敵だ。(データはレギュラーシーズン後半2節終了時)
ペルージャは第1セット序盤を1点ビハインドで終えて、8-9からプロトニツキのサーブが炸裂する。まずは相手OHの誤打2本を誘った後にエース。チヴィタノーヴァのタイムアウトも効果なく、その後も9メートルラインから攻め続けて7連続ブレークに成功する。そこで手に入れた大きなリードを味方につけペルージャが試合を先行した。
第2セットは開始から間もなくセメニウクのレフト攻撃2発でブレークを奪いペルージャが優勢に立つ。チヴィタノーヴァはニコロフのサーブとガルジューロのブロックで巻き返し背後に迫るが、プロトニツキのエース2本などで突き放してリードを渡さない。ところが、18-16からレセプションを乱されるなどして3失点を喫し2点ビハインドへ後退。セットポイントでエンドラインへのエースを献上して試合を振り出しへ戻された。
第3セット、前半をリードしたペルージャに対してチヴィタノーヴァはOH勢が奮闘。終盤を前にボットロのブロックとサーブで形勢を逆転する。ペルージャは18-19でプロトニツキとソレをベンチに下げ、石川とMBのイタリア代表ロベルト・ルッソを2枚替えで起用。石川はサーブを放った後にワンハンドでディグを上げて好機をもたらすも、悪球を叩いたニコロフのアタックがサイドラインを捉えて惜しくもブレークはならず、この1プレーのみで交代となった。1点ビハインドで突入した終盤、反撃を諦めないペルージャに流れをもたらしたのはここでもプロトニツキのサーブ。ベンタラのライト攻撃を演出した後にエースを叩き込み逆転に成功すると、次のプレーでもロセルのブロックを引き出してセットポイントを奪い取る。ソレのブロックで逃げ切ったペルージャが勝利へ王手をかけた。
第4セットは相手にコンビミスが出た直後、ショートサーブでこの試合5本目のエースを奪ったプロトニツキが、2セット目から相手サーブのターゲットとなっていたレセプションも耐え抜きサイドアウトに貢献。ペルージャは堅実な試合運びでブレークを重ねる。迎えた終盤の21-15の場面で、石川をリリーフサーバーに起用するが1プレーでサイドアウトとなり交代。ベンタラのエースの後、ニコロフの誤打で訪れたマッチポイントをセメニウクのレフト攻撃でものにしたペルージャが準決勝への切符を手中に収めた。
ペルージャは好調なベンタラが試合最多の18得点(アタック16、エース1、ブロック1)。レベルを上げ切れない時間が続いていたOH2人に本来のパフォーマンスが戻り、セメニウクが14得点(アタック13、ブロック1)、プロトニツキは15得点(アタック10、エース5)と揃って2桁得点をマークした。その一方でチヴィタノーヴァはアタック決定本数では互角だったものの、ミスがペルージャの17本に対して32本に上った。
準決勝は現地2月7日にボローニャのウニポールアリーナで開催(決勝は翌8日)され、第1試合がイタス・トレンティーノ対ブルーエナジー・ピアチェンツァ。ペルージャはアリアンツ・ミラノをストレートで下したラーナ・ヴェローナと決勝進出をかけて第2試合で激突する。
試合後、第3、4セットの終盤にサーブを任されコートに立った石川がインタビュー取材に応じた。
3セット目はサーブを放った後に好守でラリーへ繋げるが、惜しくもブレークとはならなかった。石川はこれについて、「(2本放ったサーブの内)1本はブレークに繋がりそうだったんですけど。サーブは、入りはしましたけど相手を崩せなかったので、もっとしっかり負荷をかける打球を放っていきたいです」と自身のパフォーマンスを厳しく評価する一方で、公式戦12連勝目を飾ったチームの戦いぶりについては次のように述べた。
「今日の試合はOHの2人(セメニウクとプロトニツキ)があまり崩れることなくプレーしてくれたので、それが良かったと思います。チームは非常に勢いがあって良い形で白星を続けていて世界クラブ選手権からとても良いバレーボールができていると実感しているので、それを継続していくことが大事だと思っています」
シーズン前半の対戦ではフルセットへ持ち込まれたペルージャだったが、この日は2セット目を譲った後も泰然自若に試合を進めて強豪の一角をねじ伏せた。「戦略的にどんなところが効いたと思うか?」の問いに対してはこう回答した。
「2セット目以外はエースを取られることが少なかったのが良かったです。サーブで相手を乗らせてしまうとこちらもきつくなるので。しっかりとレセプションのレベルをキープしてリバウンドから攻撃を展開できたのが大きかったなと感じました。チヴィタノーヴァは強打ではないフェイントやプッシュを非常に多く使ってくる。そこをしっかりものにしようと試合に向けたミーティングの時から話し合っていたので、それがうまくハマったなと思います」
最後に尋ねたのは、同じポジションのOH2人の復調について。「どのようにとらえているか?」「高いレベルで切磋琢磨できる絶好の機会では?」の質問にこう答えた。
「そうですね。2人は確かに良いプレーをしているので、自分としては出場した時にしっかりプレーすること。僕は引き続き僕自身のパフォーマンスを高めることにフォーカスしていきたいと思っています」
決然とした口調には、確かな闘志がちりばめられていた。
ペルージャが次戦で対峙するのは、日本代表の大塚達宣の所属先で石川にとって古巣でもあるミラノ。アウェーで勝利した前半戦から1カ月弱での再戦で、今季まだ実現していない日本人選手同士のネットを挟んだ攻防が見られるか? 注目の対戦は日本時間1月5日午前0時に幕を開ける。
取材・文●佳子S・バディアーリ
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