2002年生まれが『ごっつ』を見てお笑いの世界へ
──お笑いに目覚めた、好きになったきっかけは?
カンサイ 僕は『(ダウンタウンの)ごっつええ感じ』(フジテレビ系:1991~1997年)をDVDで見てお笑いの世界に入ってる感じなんで。
武智 ええー! オレらと一緒の入り方してる!
安場 生姜猫の3人とも興味あったん?
カンサイ いや、僕だけ突出して興味がありました。相方たち(ケージュ、川﨑)はノリでやってみよう、くらいの感じやったんですけど。

——ダウンタウンに興味を持ったきっかけは何だったんですか?
カンサイ 中学のときに『水曜のダウンタウン』(TBS系:2014年4月~)が始まって、それがめっちゃおもしろくて興味が湧いてっていう感じです。ほんでめっちゃ調べて、『ごっつええ感じ』っていうのがあるんや、って知ってDVDを借りました。
武智 すごい感性やな! ふつう『水ダウ』見てたら、ロケがおもしろいとかになりそうやのに、司会進行しているダウンタウンさんを「おもしろいんちゃうか?」って感じる中学生はすごいですよ。
カンサイ 小学生のときに『リンカーン』(TBS系:2005年10月~2013年9月)が終わったんですよ。でも『水曜のダウンタウン』でまたダウンタウンの番組が始まる、じゃあエグいやんってなりまして。
武智 で、『ごっつ』はおもろかったん?
カンサイ おもろかったです。だいぶ影響受けてます。
林 『ごっつ』のこと、しゃべれる友だちっておった?
カンサイ いないっすね。
武智 だってオレらが中学生のときに、「昨日の『ごっつ』見た?」っていう会話してたもん。
カンサイ みんなは、めちゃYouTube見てました。僕も『ごっつ』だけじゃなくて、YouTubeも見てました。ヒカキンとか、東海オンエアとか。
安場 それを見ながら『ごっつ』も見てたんや。へぇ~! “おもしろい”の種類がまったく違うのに。
武智 新しい感性やなぁ。そういうのをミックスさせたら、どういう芸人になるんか、楽しみやな。

カンサイ ただ、相方たちはYouTubeばっかり見てたのでまったく詳しくないんです。だから、ママタルトさんの「まーごめ」も知らないんです。M-1で真空ジェシカさんにご挨拶したとき、川北(茂澄)さんに「まーちゃんごめんね」って言われて、僕は「これ、裏でもやるんや!って思った」って生姜猫のラジオ(stand.fm『生姜猫Radioチャンネル』)で話したら、相方たちは「何を言ってるのかわからなかったわ」って言ってて。
林・武智・安場 えー!
武智 まぁ、新世代のお笑いマニアやもんな。ネタはどうしてんの?
カンサイ 僕が書いてます。
林 やんな? これで「相方が書いてます」って言われたらびっくりするわ(笑)。
武智 これは新しい笑いを生み出せそうですね、ダウンタウンとヒカキンを混ぜた笑い。
丸亀じゃんご・安場のきっかけは「ブラマヨのM-1優勝」
——では、1990年生まれの安場さんは?
安場 たぶん、僕が10歳のときに『M-1』(テレビ朝日系:2001年~)が始まってるんですよね。それで「漫才、おもしろ!」ってなって、当時、関西で『ZAIMAN』(読売テレビ:1999~2009年)とか、ネタ番組もいまよりやってたんでそれをずっと見てる中学時代で。で、2005年の『M-1』のブラマヨさんの優勝を見て「漫才やってみたい」って、そこで本格的に思いました。それが僕の中でめっちゃデカいです。
武智 漫才の究極やもんな。
安場 これまで見たことがなかったブラマヨさんの漫才はエグいウケ方をしはって、優勝ってなったんで、「かっこええ!」っていうのがね。それまでは漫才コントが多かったけど、急にしゃべくり漫才して、衝撃でした。それからはずっと『M-1』です。

武智 僕はもちろん、ダウンタウンです。めちゃめちゃ世代です。出身が愛媛県なんで、愛媛に入ってくるお笑いの情報が、ダウンタウンかとんねるず。この2組が2大巨頭でした。最初はドリフとか『(オレたち)ひょうきん族』(フジテレビ系:1981~1989年)から入って、『(天才・たけしの)元気が出るテレビ』(日テレ系:1985~1996年)で「おもろいぞ」ってなり出して、ダウンタウンさんが現れたときに「めちゃくちゃおもしろいぞ!」って。僕も『ごっつええ感じ』は好きでしたけど、いちばん好きやったのは『ガキ使』(『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』、日テレ系:1989年~)ですね。眠い目をこすって、夜中起きて見てました。ダウンタウン信者です。
林 僕も小さいころはドリフと『ひょうきん族』を経て、『ごっつええ感じ』と『元気が出るテレビ』になったんですかね。でもこのふたつって、時間帯がカブってたんですよ。だから、どっちかを録画してどっちかを見るっていうのをしてました。でも、そのときはまだ「芸人になる」っていう気持ちはなかったです。
武智 へー、そうやったんや。
林 ただね、当時の林少年から見ると、たいしてお笑いをわかっていないだろうと思う人たちが学校で「あれがおもろい」とギャーギャーと言ってるのがイヤで、そのころから「どうやらオレのほうがお笑いを理解してるぞ」っていう気持ちはちょっとあったんよ。で、『すんげー!Best10』(ABCテレビ:1995~1997年)とか、千原兄弟さんの番組を見るようになって、しかも私服で漫才をしてるから、すごく身近に感じられて。だから、「芸人になろう」って思ったのは、ダウンタウンさんより、そのころ心斎橋筋2丁目劇場(1986~1999年)でやられていた方々、メッセンジャーさん、ジャリズムさん、シェイクダウンさんとか。「もうこの漫才、何回見るねん」っていうくらい見てました。

——時代によりさまざまですが、カンサイさんは、ちょっと特別枠みたいな感じでしたね。
武智 まさか、こっち寄り(1978年組)とは思わなかった。
カンサイ そうですね。どっちもです。でもYouTubeも見ますし、東海オンエアはわりと挑戦的というか、当時はまだYouTubeの中でも過激なのが許された時代やったから、昔のテレビみたいなことをやろうとしてる感じでおもしろかったです。新しい動画がアップされたら、「昨日見た?」ってクラスで話題になってました。
安場 へぇ~! 「YouTube、見た?」ってなるんや。この12年でも、だいぶちゃいますね。
「若いからできる」ネタをやるのがいい
——せっかくなので、カンサイさんは、午年のお兄さんたちに聞きたいことはありますか?
カンサイ そうですね……(しばし思案して)。若いときはでけへんかったけど、歳を重ねてできるようになるお笑いってありますか? M-1とか出てても、「やっぱ、若いなオレらって」って感じたんです。いい意味でもあるけど、悪い意味では、まだ若すぎて。
武智 そこは年数がいるんかな、と思うけどね。
安場 あ、僕は、20代のころはもっと漫才コントを考えてたのが、いまはしゃべくりばっかり浮かんでくるっていう変化はある。逆にいうと、若いからできるネタを、いまいっぱいやるのも全然いいと思いますね。
武智 そっちのほうが求められてるやろうし。
安場 どうせ、おいおい変化はくると思う。

武智 そのうちNGK(なんばグランド花月)の昼公演に出て、お子さんとかお年寄り、ファミリー層がいる前で「あれ? ウケへん」ってなって、自分で考えてウケるようなネタをつくるようになったり。きっとそんな経験はしていくし、経験しないとわからないこともあるから、いまは若いパワーと勢いで爆進していったら?
林 たぶん経験を重ねていけば、できるんじゃないかな?
武智 まぁ(カンサイは、)何もかもまだ始まったばかりやからね。
還暦で目指すはちゃらんぽらん冨好!?
——では最後に、皆さん、次の午年を迎えるときにはどうなっていたいですか?
林 オレら、還暦!?
武智 わ、還暦か~。そうですね、(ちゃらんぽらん)冨好さんはもうすでに還暦を越えられたと思うんですけど、冨好さんを見てると、元気をもらえるんですよね。何でも楽しそうにしゃべるし、「レーズンパン、10個食うたんや」とかね。
一同 わははは!(笑)
武智 それで、舞台に出たら出たで、めちゃくちゃウケる。冨好さんの漫談は見たこと、ある?
カンサイ まだ経験したことがないです。
武智 エネルギッシュですごいで。誰でも絶対、笑かすから。
林 TikTokもバズってましたもんね。
武智 いまもバズッてるよ。パワフルやし、頭の回転がめちゃ早いからね。冨好さんみたいに、還暦を過ぎてもエネルギッシュに楽しく笑っていたいです。

安場 僕は芸人を始めたときからの目標で、NGKで出番を求められる漫才師になっていたいですね。48歳、いちばんできていたい年齢です。それに向けてここからどれだけアピールできるか。だから、この年齢が恐ろしいです。
カンサイ それこそ、『ごっつ』とYouTubeを見て育った世代なんで、劇場で活躍しつつ、Netflixとか配信で何か新しいお笑いをしたいです。
武智 テレビじゃないんや! これは新しい意見やな。
林 ベタですけど、還暦にはいろんな劇場でトリを務めてたいですし、NGKの名板に書いてもらえていたいです。ほんでいま、武智くんの、冨好さんの話を聞いてて思いましたが、自分がいないところでだいぶ下の後輩から「あの人、めっちゃウケてるやん」って言われるのって、すごくよくないですか? 60歳のおっちゃんになっても、そう言われてたいですね。
武智 60歳でできる新ネタもあるやろうしな。
林 絶対あると思う。