『WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退』東京ドーム(2026年1月4日)
棚橋弘至引退試合 ○オカダ・カズチカvs棚橋弘至×
棚橋が札止めの東京ドームでオカダと33分を超す激闘を繰り広げて完全燃焼。最後はレインメーカーポーズを復活させたオカダのレインメーカーを食らってごう沈した。
棚橋は1999年10月10日の後楽園ホール大会における真壁伸也(現・刀義)戦でデビュー。数々の激闘と実績を重ねて、新日本マットの輝きを取り戻し、新日本のみならず、日本プロレス界をけん引。団体を離れる同世代もいる中で、新日本愛を貫き、2023年12月には社長に就任した。翌2024年10月に引退を発表すると、1年2ヵ月にわたって、縁のある選手や後輩たちとの戦いを全国で展開し、ついに引退当日を迎えた。
対戦相手となったのはライバル・オカダだ。東京ドームでの3度にわたる一騎打ちをはじめ、“レインメーカーショック"と呼ばれた2012年2月の大阪大会など、大舞台で幾度となく激突してきた両者だったが、オカダが2024年1月に新日本を退団して、AEWに移籍。両者が対戦するのは約2年ぶりとなった。
オカダはAEWの入場テーマで登場。続いて棚橋が姿を現すと、46913人(超満員札止め)の観客から大歓声が巻き起こる。棚橋はヒザにライオンマークの入ったコスチューム姿で、序盤から何度も「棚橋」コールや「ゴー・エース」コールが飛んだ。
AEW仕様のヒールファイトを仕掛けてきたオカダに対し、棚橋は得意技で抵抗。かつて使っていた青天井エルボーも投下する。何度も劣勢に陥るが、東京ドームから声援が飛ぶたびに奮起。フライングフォアアームやダイブ式サンセットフリップ、ドラゴンスクリューなど、これまでの歴史を振り返るように技を繰り出した。ここ一番で使ってきたコーナー最上段からの場外ハイフライフローアタックがさく裂すると、東京ドームは沸騰する。
対するオカダはなおも非情なファイトで呼応。得意技を連発すると、レインメーカーポーズを決めると見せかけて、中指を突き立てる。リング上のみならず、花道でもツームストンパイルドライバーを強行。大の字になった棚橋だったが、歓声に背中を押されるように場外カウント19でリングに滑り込んだ。オカダはあえて途中でフォールを解きながら、旋回式ツームストンやローリングラリアットで攻め立てると、レインメーカーの体勢に。
棚橋はこん身のビンタを連発して必死の抵抗。掟破りの逆レインメーカーも繰り出した。レインメーカーを食らってもなんとか肩を上げ、逆エビ固めも執念で耐え忍ぶと、客席からは割れんばかりの「棚橋」コールが発生する。起死回生のスリングブレイドで立て直した棚橋は、柴田勝頼ばりにスリーパーからPKをぶち込むと、中邑真輔ばりに体をたぎらせてからボマイェを一閃。大歓声の中でハイフライフローを投下した。新闘魂三銃士殺法でも勝利できないとみるや、ドラゴンスープレックスでぶん投げて、うつぶせのオカダにまたもハイフライフローを投下。正調式ハイフライフローで勝負に出た。
しかし、オカダはヒザを立てて迎撃。立ち上がった2人は思いの丈を込めてエルボーを打ち合う。ビンタを叩き込んだ棚橋に対し、オカダはカウンターのドロップキックをドンピシャリ。ツームストンは切り返されそうになるも、オカダは内藤哲也の必殺技・デスティーノの要領で鎮圧し、胸を叩いてみせる。そして、変型エメラルドフロウジョンからレインメーカーを一閃。3カウントを聞きたくない棚橋はなおも肩を上げるが、オカダはダイビングエルボードロップから万感のレインメーカーポーズを披露。今度はブーイングではなく、歓声が降り注ぐと、オカダはこん身のレインメーカーで棚橋を介錯した。
棚橋、完全燃焼――。精根尽き果てて大の字になった逸材の前でマイクを持ったオカダは「棚橋さん、お疲れ様でした。あと1つだけ言わせてください。ありがとうございました」と感謝の言葉を送り、握手を交わしてリングを去っていくと、その後、引退セレモニーが行われた。
【試合後のオカダ、外道】
▼オカダ「ありがとうございました。まあね、この引退試合、一度お断りしましたけど、やってよかったと思います。引退する相手にてこずるわけにはいかないですから。僕はこのインターナショナルのタイトルのチャンピオンとして来てますから。AEWを代表して来てますから。しっかりとオカダ・カズチカの今の強さを見せつけられたんじゃないかなと思います。まあ、そうっすね。久しぶりに新日本プロレスのリングに上がれてよかったですし、さすが棚橋弘至だなと、あらためて思いました。僕が引退するってなった時に東京ドームを超満員にできるかって言われたら怪しいと思いますし、今回の東京ドーム超満員というのは棚橋さんの26年間があったからこその東京ドーム超満員だったと思いますので。さすがだなと、素晴らしいなと思います。棚橋さんが引退するんでね。僕もね、今日を機会に引退をしようかなと思います。はい。外道さん、というわけでお疲れ…外道さん引退…」
▼外道「予定ありませんから」
▼オカダ「ありがとうございました。本当に棚橋さんと戦えて、この新日本プロレスのリングに久しぶりに上がれてよかったなと思います。ありがとうございました。AEWもしっかり見てもらって、まだまだAEWも素晴らしい選手たくさんいますんで。そして僕の2026年も注目してください。また会いましょう」

