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「紹介」ではなく「自分で見つけた」人は、結婚後の幸福度が高い傾向

「紹介」ではなく「自分で見つけた」人は、結婚後の幸福度が高い傾向

出会い方で結婚満足度は異なるのか? / Credit:Canva

パートナーとの出会い方は実にさまざまです。

職場や学校が同じで、日々のやり取りの中から自然と惹かれ合った人もいれば、親族や知人から紹介されて交際が始まった人もいるでしょう。

近年では、マッチングアプリや婚活イベントを通じて相手と出会うケースも珍しくありません。

では、こうした「出会い方の違い」は、結婚したあとの幸福度に影響を与えるのでしょうか。

この素朴でありながら重要な問いに、大規模な社会調査データを用いて答えようとしたのが、中国の西安工程大学(XPU)の研究です。

この研究では、配偶者とどのように出会ったのかという点に着目し、その違いが結婚後の満足度とどのように関係しているのかが、10年分の追跡データを用いて詳しく分析されました。

研究成果は、2025年10月27日付で学術誌『Critical Humanistic Social Theory』に掲載されています。

目次

  • 結婚相手を自分で見つけて選んだ人は、結婚満足度が高い
  • 友人の紹介で結婚した人は、親族の紹介よりも幸福度が高い傾向

結婚相手を自分で見つけて選んだ人は、結婚満足度が高い

この研究の背景には、結婚のあり方が社会の変化とともに大きく変わってきたという歴史があります。

かつて多くの社会では、結婚は個人の恋愛感情よりも、家族や親族、地域社会の意向を重視して成立してきました。

結婚は経済的、社会的、あるいは政治的な役割を果たすものと考えられ、恋愛感情は結婚後に育てるものだと捉えられることも少なくありませんでした。

しかし、産業化や都市化が進むにつれて、人々は職場や学校、社交の場を通じて、自分自身でパートナーを選ぶ自由を次第に獲得していきます。

現代では、結婚相手の選択において、社会的義務よりも、愛情や心理的な相性が重視されるようになりました。

こうした変化の中で、出会い方の違いが結婚後の満足度と関係しているのかどうかは、実証的に検証された例は多くありませんでした。

そこで研究チームは、この疑問に答えるために、大規模な縦断データを用いて出会い方と結婚満足度の関係を詳しく調べました。

研究に用いられたのは、2010年から2020年にかけて実施された大規模な社会調査です。

この調査は、中国25地域の家庭や個人を長期的に追跡しており、本研究ではその中から結婚している人12,883人のデータが分析対象となりました。

研究者は、配偶者との出会い方を2種類に分類しました。

1つは、学校や職場、日常生活の中で自然に知り合ったり、結婚を目的としないSNSなどを通じて自分たち自身で関係を築いた「自発的な出会い」です。

もう1つは、親族や友人による紹介、結婚相談所、婚活イベント、結婚を目的としたオンラインサービスなど、第三者や制度が関与して相手と引き合わされた「非自発的な出会い」です。

結婚満足度については、「現在の結婚または同居関係にどの程度満足しているか」という質問への5段階評価が用いられました。

さらに、年齢、学歴、収入、健康状態、子どもの有無、配偶者の学歴や年齢など、多くの要因を統計的に調整した上で分析が行われています。

その結果、自発的な出会いによって結婚した人は、紹介などによる非自発的な出会いを経験した人に比べて、結婚満足度が高い傾向にあることが示されました。

この傾向は、さまざまな条件を考慮した後でも確認されており、単なる年齢差や収入差だけでは説明できない関係であることが分かっています。

では、その詳細については、次項で見ていきます。

友人の紹介で結婚した人は、親族の紹介よりも幸福度が高い傾向

研究では、出会い方をさらに細かく分けた分析も行われました。

その中で特に注目されたのが、誰が仲介したのかという点です。

分析の結果、親族による紹介で結婚した人は、友人による紹介で結婚した人よりも、結婚満足度が低い傾向にあることが示されました。

研究者は、親族は本人の日常的な価値観や感情面を十分に把握していない場合が多く、家柄や安定性など条件面を重視した紹介になりやすいため、感情的な相性が後回しになってしまう可能性があると考えています。

その結果、結婚後になって感情面や価値観のズレが表面化しやすくなる可能性があるのです。

また、オンラインでの出会いについても興味深い結果が得られました。

たとえ自発的な出会いに分類される場合であっても、SNSなどオンライン上で知り合ったカップルは、学校や職場などオフラインで自然に出会ったカップルよりも、結婚満足度が低い傾向にありました。

これは、同じ空間で過ごす時間が限られることや、相手に対する理解が断片的になりやすいこと、さらには理想化されたイメージが先行しやすいことが影響している可能性があると考えられています。

研究者は、こうした結果について、出会い方そのものが幸福を直接決定するというよりも、関係がどのようなプロセスで築かれたかが重要だと説明しています。

自発的な出会いでは、日常生活の中で徐々に相手を理解し、欠点も含めて受け入れる時間が確保されやすくなります。

そのため、結婚後に生じる意見の違いや衝突に対しても、柔軟に対応しやすくなると考えられます。

一方で、紹介による出会いでは、短期間で判断が行われ、条件面が前面に出やすくなるため、結婚後に価値観や感情面のズレが顕在化しやすくなる可能性があるのです。

この研究には明確な限界もあります。

観察データに基づく分析であるため、出会い方が結婚満足度を直接高めたという因果関係を示すことはできません。

研究者自身も、出会い方はその人の恋愛観や対人行動の傾向を反映している可能性が高いと慎重に述べています。

主体的に相手を選ぶ人は、結婚後も関係を主体的に築こうとする傾向があり、その姿勢が満足度の差として表れているのかもしれません。

今後は、こうした行動特性や価値観をより詳しく測定し、結婚生活の中でどのように影響していくのかを追跡する研究が期待されます。

結婚の幸福は、偶然や運だけで決まるものではありません。

その始まり方には、私たち自身の人との向き合い方が、反映されているのかもしれません。

参考文献

Marriages are happier when partners find each other without intermediaries, study suggests
https://www.psypost.org/marriages-are-happier-when-partners-find-each-other-without-intermediaries-study-suggests/

元論文

The Impact of Mate Selection Methods on Marital Satisfaction
https://doi.org/10.62177/chst.v2i4.825

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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