MotoGP日本GPにワイルドカード参戦している中上貴晶(ホンダ)は、初日のセッションを振り返り、「全体的にはポジティブ」だったと語った。
2024年限りでMotoGPのフル参戦を終え、その後はホンダの開発ライダーとしての仕事に就いた中上。日本GPではマシン開発の任を負ったワイルドカード参戦で、再び日本のファンの前で走る姿を見せている。
中上は初日FP1で首位から0.831秒差の17番手、プラクティスでは1.009秒差の21番手タイムだった。
中上は日本GP初日を振り返ると「全体的にはポジティブだったと思います」と語った。
「全体的にはポジティブな1日だったのではないかなと思っています。順位だけ見ると、もうちょっと上に行きたかったというのも正直ありますけどね」
中上はそう語る。
「ですが(テストではあまり使えない)ソフトタイヤを久々に履いて、トップのレコードに近いタイムから1秒差ですからね。昨日も話した通り、久々のソフトタイヤで、フィーリングに戸惑いもありました。ソフトの高いグリップもあって、マシンのバランスがかなり変わるんです」
「それでマッピングやエンジンブレーキ、トラクションコントロールといった面で、タイムアタックの時までにバランスを合わせきれませんでした」
「ただセッションごとに良くなっているので、明日の予選ではもうちょっと良いタイムを出したいと思っています。改善できることは分かっています。ソフトタイヤでの自信をつけ、そしてスプリントと決勝に向けた準備を進めていきます」
中上は開発ライダーらしく、2026年シーズンに向けたテスト要素も入ったマシンに乗っている。今回はリヤのシートカウルが変更されているが、その効果は良いと断言できるわけではないという。
「良い部分もありますが、全てが良いわけではないですね。僕らとしても、明日に向けて理解を深めていく必要があります」
「ブレーキングが少し良くなっているんですが、劇的なモノではないんです。僕としてはもうちょっと感触は違うのかと思っていましたが、大きな変化ではなかったです」
「今はエンジニアの人たちがデータをチェックしてくれていますので、スタンダード仕様との違いを理解していくことになります」
そんな中上だが、フル参戦していた時と比べると、日本GPの感じ方は随分違うという。
「去年までは結果を出さなきゃいけないとか、いろんな角度からのプレッシャーがありましたけど、今はそういうのとはまた違っていますね」
「もちろん結果は出したいですが、それが一番ではないんです。ワイルドカードで無理をせず、後半戦や終盤戦に向けて、レギュラーライダーたちの今後に繋がるフィードバックをきっちり与えて、良いものを厳選して渡さないといけないんですよね」
「その辺りはだいぶ視野を広くしていて、自分もこの結果だったりスピードだったり、予定だったりを受け入れてやっています。全然プレッシャーはないです。楽しく走れてます」

