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「中国は瀕死というより延命の質が低下」「割を食うのは日本」国際的投資家が警告! 2026年、世界経済を揺るがす3つの火種

「中国は瀕死というより延命の質が低下」「割を食うのは日本」国際的投資家が警告! 2026年、世界経済を揺るがす3つの火種

3つの火種––中国、米国政治、日本の金利

資産格差と生活格差はより固定化される可能性が高い。余裕のある家庭は、円安でも株高でも資産が増える。一方で、余裕のない家庭は、円安で生活が削られ、投資にも参加できない。

その差は時間と複利で拡大し、最終的には「自己責任」という言葉で整理される構造が見えている。政治が本来、引き受けるべき通貨リスクと物価リスクを、「投資で備えよ」と各家庭に委ねる。

守るべき対象を守らない理由として投資を用いるなら、それは統治論理の問題である。この倫理の欠損が、今年はより顕在化するはずだ。

では、何がトリガーになるのか。私は大きく3つの火種を挙げたい。中国、米国政治、日本の金利と財政である。

重要なのは、これらが単独で破綻を引き起こす可能性は高くないが、3つが同時に、しかも薄く燃え続けることで、円と生活と国債が同じ方向に傷んでいく。

まず中国だ。瀕死というより、延命の質が落ちていると言うべきだろう。問われているのは景気刺激の量ではなく、信用不安を押し返す政策の質だが、それが弱い。ここで起きるのは中国の破綻ではない。むしろ事故が増える。

資本流出の波が急に強くなる、デベロッパーの延長交渉が連鎖する、統計や規制が突然変わる。そうした「運用ミスに対しる耐性」の低下である。

市場の反応は方向ではなく変動率として表れる。揺れが大きくなると、最も割を食うのは円だ。なぜなら日本は、市場から見て「守ってくれる通貨」に映りにくいからである。

次に米国政治。今年の米国は内にばら撒き、外に強く出る誘惑が一段と強まる。対中姿勢は勝ち負けよりも「戦っている姿」を演出するための材料になりやすい。関税、半導体、対中投資規制、同盟国への踏み絵。これらはすべて、国内政治の装置だ。

米国は中国を叩くが、潰しに行く余力はない。中国も壊しに行く余力はない。結果として米中は、改善もしないが決定的にも壊れない「管理された緊張」を、より荒れた形で続ける。

この常態化は、日本にとって最悪の配置だ。日本は「前線に近い後方基地」として固定され、地政学リスクが通貨に貼り付く。円は有事通貨ではなく、前線通貨として見られやすい。

そして最大の火種が、日本の金利と財政だ。今年の本丸は、利上げの回数ではない。金利の居場所が変わる瞬間だ。利上げをしても円が買われない局面が続くなら、それは市場が「通貨を守る覚悟」を疑っているということになる。

問題は金利差ではない。

インフレを抑えるために景気を少し壊す覚悟。財政運営に痛みを持ち込む覚悟。政治が守る順序を戻す覚悟。

そのどれかが欠けていれば、円は売られ続ける。一方で覚悟が示されれば、今度は株と信用が揺れる。今年の日本は、どちらに転んでも摩擦が増える。

日本に届く先送りしてきた“請求書”

最後に、新春ということで占いを置いておく。

本命は「じわじわ」だ。円安は急落せず、物価は静かに効き、生活の違和感だけが積み上がる。政策は説明を重ね、市場は慣れ、国民だけが疲弊する。観測点は実質賃金と生活必需品価格である。

対抗は「日本金利ショック」。小幅利上げにもかかわらず円安が進み、「守れない通貨」という評価が定着する。株は耐えても国債と信用が揺れる。観測点は長期金利と為替の逆反応。

穴は「米中政策事故」。管理された緊張が制度事故に変わり、関税や規制が突然跳ねる。円は前線通貨として売られる。観測点は米国の対中措置の突然さである。

占いは外れることもあるが、見るべき点は外れない。だから結論として、マネーの逆回転は必ず起きる。それは暴落でも破綻でもない。

これまで後回しにされ、歪められてきた順序が、静かに元へ戻ろうとする力だ。通貨が軽んじられ、生活より市場が優先され、政治が責任を先送りしてきた。その逆方向への回転である。

円安を前提にした成長、投資を免罪符にした統治、痛みを見せない政策。そのすべてが、同時に耐えられなくなる瞬間が来る。

今年、日本で起きるのは危機ではない。危機を避けるために先送りしてきた政策的歪みが、請求書として戻ってくるだけだ。

中国の事故、米中の管理された衝突、日本の金利の居場所の変更。3つが重なったとき、逆回転は概念ではなく、生活の感触として理解される。そのとき人々はようやく、通貨の力という言葉を、自分の暮らしの尺度として測り始める。

だから改めて断言する。今年問われるのは、投資促進政策の巧拙ではない。

政治が、通貨と生活を守る順序を取り戻す意思を持っているかである。守るべきものを守らない言い訳として投資を使い続けるなら、この国はさらに空洞化する。この違和感は感情論ではなく、すでに可視化されつつある現実への反応にすぎない。

文/木戸次郎 写真/shutterstock

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