長崎県島原半島の南部に位置する南島原市は、雲仙普賢岳と有明海に囲まれた自然豊かなまちです。農業や漁業が盛んで、歴史や文化、そして人々の暮らしが今も息づいています。
そんな南島原市は、市制施行から20周年という節目の年を迎えました。
この記念すべき年に、市では「まちの魅力をあらためて見つめ直し、広く発信していく」取り組みのひとつとして、写真を通じた参加型の企画を実施しています。行政が一方的に魅力を伝えるのではなく、市民や訪れる人それぞれの視点から切り取られた南島原市の姿を集めることで、多様な魅力を共有していこうという試みです。
風景や名所だけでなく、日常のひとコマや暮らしの中にある何気ない瞬間も、南島原市の大切な魅力のひとつです。写真という身近な手段を通して集まる一枚一枚が、まちの今を映し出し、これからの南島原市を考えるきっかけにもなっていきます。
市制施行20周年という節目に、南島原市がどのような思いでこの取り組みを進めているのか。写真を通して伝えようとしている「まちの魅力」とは何なのか。その背景に目を向けていきます。
20周年という節目に、まちの魅力をあらためて見つめ直す理由

南島原市は、これまでの歩みの中で、自然や歴史、暮らしの魅力を大切にしながら、少しずつその価値を伝えてきました。雲仙普賢岳の麓に広がる風景、有明海とともにある生活、農業や漁業を支える人々の日常。そうした一つひとつが、このまちを形づくっています。
市制施行20周年という節目は、単なる記念の年ではありません。これまで積み重ねてきた時間を振り返りながら、「南島原市らしさとは何か」をあらためて見つめ直す機会でもあります。行政が発信する言葉だけでは伝えきれない魅力を、もっと自然な形で共有したい。そんな思いが、この取り組みの背景にあります。
これまでも写真を通じた企画は継続して行われ、多くの視点が集まってきました。観光名所だけでなく、何気ない日常や、暮らしの中でふと心に残る風景が切り取られ、それぞれが南島原市の物語として積み重なってきたのです。
20周年の今、改めて写真という手段を選んだのは、特別な準備がなくても、その瞬間の想いを残せるからです。まちに暮らす人も、訪れた人も、それぞれの立場から感じた南島原市の魅力を持ち寄る。その積み重ねこそが、これからの南島原市を形づくっていく大切な一歩になっていきます。
誰かの日常が、このまちの魅力になる。写真で伝える南島原市

南島原市のフォトコンテストが大切にしているのは、特別な瞬間だけではありません。雄大な自然や名所はもちろん、何気ない暮らしの風景や、日常の中でふと心に残る一瞬も、このまちの大切な魅力として捉えています。
テーマに掲げられているのは、「あなたが見つけた南島原市の魅力」。その言葉どおり、写真に求められているのは完成度の高さだけではなく、撮影した人それぞれの視点です。まちに暮らす人が見ている風景と、訪れた人が感じた印象は必ずしも同じではありません。その違いこそが、南島原市の奥行きを伝えてくれます。
ジャンルを限定せず、プロ・アマチュアを問わず参加できる形にしているのも、この取り組みの特徴です。スマートフォンで撮影した写真も対象となり、日常の延長線上で参加できる仕組みが整えられています。写真に詳しくなくても、「この景色が好き」「この瞬間を残したい」と感じた気持ちがあれば、それが一枚の作品になります。
一人ひとりの写真は小さな記録かもしれません。しかし、それらが集まることで、南島原市というまちの表情はより豊かに浮かび上がってきます。行政の言葉では語りきれない魅力を、写真というかたちで共有していく。その積み重ねが、このまちの今と未来を静かに映し出していきます。
