深夜に鳴る「美容院」からの着信
彼のスマホが鳴るたび、画面には「美容院」という文字が表示されていました。最初は何も気にしていなかった私。けれど、その着信がいつも夜遅い時間帯であることに、次第に違和感を覚えるようになりました。彼は着信があるたびに「予約の確認だよ」と言ってさりげなく席を外し、小声で短い会話を済ませて戻ってきました。その不自然さが、ずっと心に引っかかっていました。
思い切ってかけ直した電話
ある夜、彼がお風呂に入っている間に、またあの着信がありました。画面に光る「美容院」の文字。私は震える指でその番号にかけ直してみたのです。
数回のコール音のあと、電話に出たのは若い女性の声でした。「あれ、シュウくん?お風呂あがるの早いね」。親しげなその言葉に、私は息を呑みました。私が黙っていると、相手は「もしもし?」と不思議そうに繰り返しました。「私は彼の、交際3年になる彼女です」。そう告げた瞬間、「え......彼女いるって聞いてない......」という小さな声とともに、通話は切れてしまいました。
