
柳井のぶ役の今田美桜さん(2018年12月、時事通信フォト)
【画像】え、「美人すぎる」「羨ましい」 コチラがやなせさんが「一目ぼれ」した妻・暢(のぶ)さんの若き日の姿です
最初は仕方なく飼い始めた犬
『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんとその妻の暢(のぶ)さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』は、130話で堂々の完結を迎えました。1993年にがんで亡くなったモデルの暢さんのように、主人公の「柳井のぶ(演:今田美桜)」も最終回で死んでしまうのではないかという心配の声もありましたが、130話は手術を受けたのぶが退院し、それから5年が経過しても元気に生きている状態で終わっています。
ほかのメインキャラは登場せず、のぶと「柳井嵩(演:北村匠海)」だけで話が進んだ最終回の最後に話題になったのは、ふたりが犬を飼い始めていたことです。いきなり出てきた犬に、「なぜ急に?」と驚く視聴者の声も多々出ています。時期が違いますが、やなせさんと暢さんも、何匹か犬を飼っていました。
やなせさんの自伝『アンパンマンの遺書』(岩波書店)では、三越を辞めてフリーになった1953年当時、家に犬3匹と猫1匹、カナリヤ1羽がいたことが語られていました。暢さんは大の犬好きだったといいます。『やなせたかし はじまりの物語: 最愛の妻 暢さんとの歩み』(高知新聞社)という書籍によると、やなせさんが高知新聞で連載していた『マックロちゃん』(1957年~59年)や、1959年に自費出版した4コママンガ集『メイ犬BON』の主人公は、当時の愛犬がモデルだったそうです。
そして、やなせ夫妻が最後に飼っていたのが、「チャコ」という犬でした。やなせさんの秘書として働いていた越尾正子さん(現在は株式会社やなせスタジオの代表取締役)の著書『やなせたかし先生のしっぽ: やなせ夫妻のとっておき話』(小学館)では、チャコについていくつか情報が載っています。
柴犬のミックスだったチャコは毛並みが茶色いという理由で、チャコと名付けられたそうです。やなせ夫妻は1980年代に四谷の荒木町にあった一戸建てからマンションに引っ越してきた際、年齢的にもう犬は飼わないと決めていました。しかし、近所の人が『どうか飼ってください』とカツオ節を付けて頼みに来たので、仕方なく飼うことになったといいます。
そのチャコは、暢さんが亡くなった1993年11月22日のちょうど1か月後の12月22日に、12歳でこの世を去りました。がんが死因で、息を引き取った時刻が夕方4時頃というのも暢さんと同じで、やなせさんは「カミさんが連れていった、と僕は思った」(『アンパンマンの遺書』より)と振り返っています。
『あんぱん』では史実より10年ほど遅れて、のぶたちが犬を飼い始めました。端折られた5年間の間に、近所の人からカツオ節付きで飼ってほしいと頼まれたのかもしれません。
最終回で急に犬が出てきたことで、一部の視聴者からは「あんなに年とってから犬を飼うのは無責任」「暢さんが1993年に亡くなったのに、その時期に飼い始めたってことは、あとは嵩だけで面倒みるってことかな」などのツッコミも入っていました。
暢さんは1988年の年末にがんが見付かり、余命3か月といわれるも、やなせさんの支えもあって1993年11月まで生きています。『あんぱん』最終回終盤ののぶは、犬の散歩で走れるくらい元気でしたが、あれから状態が悪化して亡くなった可能性もあるでしょう。
ただ、史実の暢さんと違って、のぶは病気が完治したから犬を飼うことにした、やなせさん(2013年に94歳で死去)と同じくらい長生きしたとも考えられます。彼女たちのその後の人生も気になるところです。
