新日本プロレスは毎年恒例の年間最大ビッグマッチ『WRESTLE KINGDOM 20 in TOKYO DOME』を1.4東京ドームで開催。第2試合では女子プロレスSTARDOMの試合が行なわれた。
中心はSTARDOM最高峰のワールド・オブ・スターダムとIWGP STRONG女子王座の2冠チャンピオン上谷沙弥。女子選手として史上初のプロレス大賞MVPを受賞し、2025年はリング内外で圧倒的な存在感を放ってきたレスラーだ。王座戦を防衛してきた実力と今までにいない可愛いヒール像の確立、テレビなどメディア露出やタレントのYouTubeチャンネル出演による認知拡大をし、プロレス未経験層の取り込みに大きく成功。上谷はすでに「女子プロレスの枠」を越えた存在となっていた。
対する朱里は、空手、キックボクシング、総合格闘技をバックボーンに持つ実力派。怪我による欠場期間を経てIWGP女子王座を奪還し、ダブルタイトルマッチに臨んだ。華やかさと圧倒的な存在感を持つ上谷に対し、朱里はリアルな強さと説得力をぶつける闘いだった。
1.4東京ドーム大会では煽りVTRの段階からスタンドから歓声が上がる。普段STARDOMを観ていない新日本プロレスファンの前で、この試合が強い関心を集めていたことが分かる。
試合は序盤から一進一退。飛びつき式フランケンシュタイナーやスワンダイブ式プランチャで会場を沸かせる上谷に対し、朱里は雪崩式アームロックやサブミッション、鋭いキックで応戦する。女子ならではのしなやかさと身体の柔らかさが際立つ攻防は、新日本プロレスファンにも強い印象を残した。最後はフィニッシャー朱世界からの片エビ固めで朱里の勝利。IWGP女子王座の初防衛に成功し、STRONG女子王座との2冠女王となった。
2025年のSTARDOMは、ワールド・オブ・スターダム王座を中心に、極悪集団H.A.T.E.にベルトが集中する一年でもあった。その牙城を、この東京ドームで朱里が崩した。IWGP女子といえば朱里。そのイメージを決定づける結果でもあった。
バックステージで上谷は「沙弥様の今日の敗因、負けた理由。沙弥様、働き過ぎってことだわ。だからちょっと、明日から有給休暇もらうわ。しばらく休みもらうわ」と語り、続けて「2.7大阪でスターライト・キッドと(ワールド・オブ・スターダム王座のタイトル戦が)決まってるけど、あの子猫ちゃんなら余裕だよね。まあ子猫ちゃん、毛づくろいでもして待っときな」と、有給休暇をとることを一方的に宣言した。
朱里は「東京ドームという舞台で超満員のお客さんの前で、こうやって二冠チャンピオンとして勝利を挙げることができたことは、本当にうれしいし、女子の試合を初めて見た人が、『女子って面白えな』とか、そういうのを思って、どんどん興味を持ってもらえたら、すごくうれしいです」と語った。さらに「やっぱりスターダムで、東京ドームで超満員のお客さんで、やっぱり叶えたいです」と、STARDOM単独での東京ドーム興行への意欲も口にした。 昨年のSTARDOMは、4月に中野たむの引退という大きな節目があり、各ユニットリーダーの朱里や舞華の欠場も続いた。それでも観客動員は伸び続け、地方興行では以前より2・3列席を後ろに増設することも当たり前に。上谷沙弥の人気はもちろんだが、中心選手の人気だけではなく、選手全体の実力や魅力的な個性、STARDOMとしての“パッケージ”がファンに支持されてきた。年末の総決算、12.29両国国技館大会は、前売り券だけで全席が完売し、勢いだけではない“本当の力をつけた年”であった。
同大会では敗れはしたが、安納サオリと飯田沙耶がユニットの垣根を超えて共闘し、H.A.T.E.と対峙。若手のさくらあや、玖麗さやかも「ベビーが輝くスターダムを必ず取り返す」「スターダムをもっともっと照らしていきます」と力強く宣言した。H.A.T.E.一色だった昨年の流れは、確実に変わり始めている。
朱里のIWGP二冠、舞華の復帰、そして2月7日の大阪大会で行なわれる上谷沙弥 対 スターライト・キッド。STARDOMは今、また大きく動き出そうとしている。
2000年代、低迷期にあった新日本プロレスを棚橋弘至が救ったように、2025年に上谷沙弥が行なってきたことは、その姿と重なる部分がある。その二つの時間が、満員の東京ドームで交差した。STADOM東京ドームでの単独興行という言葉は、そう遠くない未来として動き始めている。
構成●THE DIGEST編集部
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