
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
【画像】え…っ!「絵柄も怖い」「もう50年前?」 コチラが『まんが日本昔ばなし』版の『耳なし芳一』です
恐ろしくも悲しい怪談
2026年1月1日、懐かしの人気番組『まんが日本昔ばなし』の公式X(旧:Twitter)で、人気のエピソード『耳なし芳一』(1976年7月10日放送)が丸々1話分公開されました。ポストには1万2000以上のいいねと100件以上のコメントがつき、話題を呼んでいます。
特に言及はありませんが、この『耳なし芳一』の物語を有名にした明治時代の文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、その妻・小泉セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が放送中のため、このタイミングで公開されたのでしょう。『ばけばけ』では第1話の冒頭で、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」に『耳なし芳一』の怪談を話している場面もありました。
滅亡した平家の霊にとり憑かれた盲目の琵琶法師「芳一」が、身を守るため和尚に全身にお経を書いてもらったものの、書き忘れた耳の部分を霊にちぎられてしまうという恐ろしい物語に、コメント欄では「子供が見るレベルじゃない怖さで、当時トラウマになりました」「子供の頃本当に怖くて、夜トイレに行かれなくておねしょした事を覚えている」「子供の頃とにかくこの話が怖い事で有名で怖くてちゃんと話を知らなかったのですが、大人になった今話を知ると哀しみとやはり怖さで耳なし芳一の奥深さを感じます」「これ、怖いけど安徳天皇ら平氏の一族や落人が琵琶の音にすすり泣き、手をついて咽び泣いている様子が物悲しいんだよな」といった感想があいついでいます。
この『耳なし芳一』も、怪談好きの妻・セツがハーンに語った物語です。ハーンは「再話文学」として独自解釈も加えてこれをまとめ、代表作『怪談』(1904年)のなかで最初に紹介しました。
『耳なし芳一』は江戸時代に書かれた一夕散人の書物『臥遊奇談』にある、「琵琶秘曲泣幽霊」が元ネタだと言われています。この話をハーンに語ったセツは、後年の追想録『思ひ出の記』のなかで、「大層ヘルンの気に入った話」だったと振り返っていました。また、セツはあるとき、盲目の法師が琵琶を弾いている姿の博多人形を買ってきたそうで、それを見たハーンは「やあ、芳一」と大いに喜んだといいます。
『耳なし芳一』は、『ばけばけ』でもいずれ本格的に語られると思われるので、この機会に『まんが日本昔ばなし』公式Xでアニメ版をチェックてみるのもいいでしょう。
ちなみに、『耳なし芳一』は『まんが日本昔ばなし』の公式YouTubeチャンネルでは公開されていませんが、『怪談』収録作品のなかで『耳なし芳一』と並んで有名な『雪女』(1975年2月11日放送)の回はアップされています。こちらはのちに『銀河鉄道999』(劇場版)や『幻魔大戦』などの名作を手がけた、りんたろう監督が演出を担当しており、恐ろしくも悲しい物語と美しい作画が評判です。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)
