『NEW YEAR DASH!!』東京・大田区総合体育館(2026年1月5日)
○HENARE&ジェイク・リー&カラム・ニューマン&グレート-O-カーンvs辻陽太&デビッド・フィンレー&鷹木信悟&ドリラ・モロニー×
UNITED EMPIREに急展開。2024年2月にユニットを離脱してAEWで活躍していたウィル・オスプレイが将来的な再合流をアピールしたものの、現在の帝国軍をけん引するニューマンが反発。また、前日のドーム大会に続き、ジェイクは2冠王の辻を徹底挑発した。
前日の東京ドーム大会で、辻は熱戦の末にKONOSUKE TAKESHITAを撃破。IWGP世界ヘビー級王座&GLOBAL王座の2冠を達成した。試合後、所信表明をしようとした辻を背後から襲撃したのが、ドーム大会で右ヒザの負傷から1年4ヵ月ぶりにサプライズ復帰したジェイクだった。欠場前はBC WAR DOGSのメンバーとして活動していたジェイクだったが、UNITED EMPIREのメンバーとして登場。辻が奪取したIWGP世界ヘビー級のベルトを手に持ち、無言で挑戦をアピールした。
翌日の大田区大会では、さっそく辻とジェイクの直接対決が実現。無所属&BC WAR DOGS連合軍とUNITED EMPIREが8人タッグマッチで対戦した。
辻はドーム前からアピールしていた通り、IWGP世界ヘビー級のベルトではなく、かつて使用されていた4代目のIWGPヘビー級王座のベルトを腰に巻いて登場。選手コールでも「IWGPヘビー級」とリングアナウンサーにコールさせた。
さらに、辻はマイクを持つと、「おい、ジェイク。昨日のあれはアンタの挑戦表明か。悪いけどな、1年以上欠場して帰ってきたヤツが襲撃して挑戦できるほどIWGPヘビー級は甘くねえんだよ。IWGPをナメんじゃねえよ!」と言い放つが、ジェイクは無表情。さらに、辻は「でもな、レスラーとして一番いいところを潰されているんだよ。このまま俺も黙っておくわけにはいかねえ。もしアンタが挑戦したいなら、この俺を納得させてみろ。なあ、なんでエンパイアに入ったんだ? なんでIWGPをやりてえんだ? あんた喋れるんだろ」と要求した。
「ジェイク」コールが起こると、マイクを持ったジェイクだが、何も語らず辻に蹴りを入れて奇襲。小躍りして挑発すると、一気にFBSへ。辻はこれを避けると、エルボー合戦に発展する。辻は強烈なチョップで歓声を巻き起こすが、ジェイクもジャイアントキリングを腹部にぶち込んで押し返した。やはりFBSは決まらなかったが、カウンターのハイキックをズバリ。辻も足技で反攻するが、ここでもジェイクは土手っ腹にジャイアントキリングをねじ込んで、両者大の字となった。
その後、抗争が続く両軍の戦いは白熱。鷹木&モロニーが連係を連発するが、オカーン&HENAREも応戦する。4選手の大技が交錯する中、モロニーとHENAREが打撃戦で火花。HENAREがヒザ蹴り、頭突き、延髄ラリアットで一気に勝機をたぐり寄せると、最後はオーカーンとのシットダウン式パワーボム&エリミネーターの合体技で勝利した。
試合後、場外戦で辻を振り払ったジェイクは、IWGPのベルトを奪って撫で回す。さらに、ベルトを腰に巻こうとしたり、眺めて小躍りしたりと執ように挑発。怒った辻が返すように求めるが、ジェイクはビンタを叩き込んだ。ベルトを取り戻した辻もビンタを返したものの、ジェイクの真意はわからないまま試合終了となった。
その後もまさかの展開が待ち受けていた。試合ではニューマンと激しくやり合っていたフィンレーは激怒して、パイプイスを投げ込むなどして暴走。そんなフィンレーをせせら笑ったニューマンは、「俺がこの1年、このユニットを背負って戦ってきたのは、お前ら子犬どもに脅されるためでも、見下されるためでもない。お前がSAVAGE KINGと言うなら、時間と場所を言ってみろよ。お前が相手にしているのは誰なのか、思い知らせてやる」と要求。「ひとつだけ覚えておけ。これはお前がオーサカで粉々に打ちのめした帝国じゃない。これはまったく新しい帝国だ」と高らかに宣言したが、ここでUNITED EMPIREの元メンバーであるオスプレイが登場したのだ。オスプレイは前日の棚橋引退セレモニーに参加していた。
オスプレイはUNITED EMPIREの創設者にして、初代リーダー。2020年10月の結成からユニットをけん引していたが、2024年の2・11大阪大会におけるBC WAR DOGSとのドッグパウンドケージマッチを最後に新日本を離脱してAEWに戦いの舞台を移すことに。最後は血まみれにされ、フィンレーに叩きのめされたものの、「いつかここに帰ってくる」と宣言していた。ニューマンの言う「オーサカ」とはこの時の戦いを指す。
オスプレイはフィンレーと場外でにらみ合ってからリングイン。HENAREとは抱擁、オーカーンとは握手を交わすと、ニューマンからマイクを受け取り、「タダイマ」と日本語であいさつ。「セカイ・イチバン・プロレス・ダレデスカ?」と呼びかけると、場内からは「オスプレイ!」と声援が飛んだ。
オスプレイは「謝罪しに来た。すまなかった。俺が抜けたら、ここまで全部が崩壊するとは思っていなかった。自分がどれほどチームのまとめ役だったか気づいていなかったんだ」と自分が離脱してからユニットの迷走が続いたことを踏まえてかつての仲間たちに謝罪。現在は首の負傷のため、AEWでの試合を欠場しているが、「この状況を正したい。でも、今すぐ戻ることはできない。まだ回復が必要だ。時間がかかるが、少しずつ確実に近づいている。そして、日に日に良くなっている。トンネルの先にある光も見えてきている」と語り、「万全になったら、AEWでやるべき仕事を片づけて、新日本プロレスに戻ってくる。俺はお前を支えるために戻ってくる」と将来的な新日本への出場を示唆。ニューマンを「今のお前の成長を誇りに思っている。もう立派な一人前の男だ」と称え、「俺に手を貸させてくれ。戻りたくないか? 帝国のヤツらをもう一度集めよう。そして、昔みたいに、新日本プロレスを乗っ取るんだ」と提案した。
場内に「オスプレイ」コールがこだますると、ニューマンは抱擁に応じる。改めてオスプレイはオーカーン&HENAREと帝国軍ポーズを披露するが、ジェイクは加わらず、さらにニューマンは背後でイスを手にして殴りかかろうとした。オーカーンたちが止めに入って事なきを得たものの、オスプレイとニューマンの間には考え方の違いがあるのは明白。ニューマンとジェイクはノーコメントだったため、両者の真意は謎のままとなったが、UNITED EMPIREがすんなり一致団結とはいかなそうだ。
また、ジェイクにしつこく挑発されて「この俺を納得させてみろ」という言葉の返事を聞けなかった辻も新たな動きを見せた。これまで無所属とBC WAR DOGSは共闘という形を取っていたが、辻は「俺たちの共闘は今日で終了する。俺たちは1つのユニットとして闘っていく。俺たちの名は“Unbound Co.(アンバウンド・カンパニー)"。誰にも縛られない組織だ」と新ユニット立ち上げを宣言。「新日本プロレスよ、覚悟はいいか?」と気合いを入れた。
【オーカーンの話】「『EMPIREを変える』、そう言っただろう? 『燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや』、そう言っただろう? 計画はいくらでもここにある。必要なのは実行するまでの時間だった。辛く長〜い時だったが、余にかかれば全てこの通りだ。これが『報われるには報われるまで続ける』ってことだ。カラム! ……本当に裏で手を引いてるのは誰なのかね?」
【HENAREの話】「(※マオリ語で呟いてから英語で)みんな、帰ってきた。俺も帰ってきた。ジェイクも帰ってきた。帝国も帰ってきた、昨日見た通りだ。でも他に帰ってきたものもある。タカギ……WAR DOGS……そしてWAR DRAGONS……お前らのどこがWAR(戦争)なんだ? WAR(戦争)を見るか? (※負傷していた右ヒザを指差し)本当のWAR(戦争)を見るか? WAR……傷跡……度重なる手術……(※頭の傷を指差し)それがWAR(戦争)だ! それが戦士だ!! 俺のコスチュームに刻まれた鱗……ドラゴンの鱗だ。(※マオリ語で喋ってから英語に戻して)俺が真の戦争をお前ら二人に見せてやる。ドリラ、タカギ! お前らに本当の戦争を見せてやるぞ! 帝国に栄光あれ!!(※と言ってから、最後に再びマオリ語で叫んでから引き上げる)」
【オスプレイの話】
▼オスプレイ「これ、久しぶりにやるな。タナハシサンの引退マッチのために来日していたけど、ずっと一度戻って、様子を見たかった。でもな……俺の知ってる帝国ではなくなってしまった。自分がどれほどチームのまとめ役だったか、気づいていなかった。まだ復帰までかなり遠い。でも毎日、確実に良くなってきている。そして自分でも感じてる。リングに戻るその瞬間が、少しずつ、確実に近づいてきているってな。さっき言った通り、まずはAEWで片付けないといけない仕事がいくつかある。それが俺の主戦場で、毎週闘い続ける場所だからだ。でも、俺は戻りたい。年に2大会でも、3大会でも、5大会でもいい。必ず実現させたい。そして今後カラムをサポートしたい。アイツはまだ若い。過ちも犯すだろう。俺も数え切れないほどの過ちを犯してきた。だが日本は、俺に這い上がる場所を与えてくれた。日本は、いつだって俺のホームだ。俺はヒロシ・タナハシの背中を追いたい。そして次世代のためにもう一肌脱ぎたい。本当にありがとう。帰ってくるのを楽しみにしてるよ。(※日本語で)アリガトウゴザイマシタ」
──新日本プロレスを去った後、UNITED EMPIREのことは見てきた?
▼オスプレイ「崩壊も見てきたし、仲間同士が言い争ってるのも全部見てきた。存在しないはずのポジションを奪い合って、みんな必死にもがいてるように見えた。俺は一度も、自分のことを帝国のリーダーだなんて名乗ったことはない。正直、その呼び方が好きじゃなかった。俺はずっと、俺たちをチームだと思ってきた。俺は自分をセンターフォワードだと言ってきた。ボールを渡されれば、俺は必ずシュートして毎回ゴールを決めてきた。俺たちを強くしていた理由は皮肉なことに、そのままグループ名だった。俺たちはUNITED(団結)していた。俺たちがやりたかったことは、全部そこにあった。俺たちは仲間で、一緒に旅を続けていた。だからAEWに行って、それが崩れていくのを見るのは……正直キツかった。毎週本当に忙しいんだ。継父になって、人生はひっくり返るほど変わった。正直、簡単な生き方じゃない。そしてこの出来事は俺の人生を完全に狂わせた。だけど、これが俺を突き動かしてもいる。正直に言うと、俺にどれだけの時間が残ってるのか、わからない。本当にわからないんだ。だから戻ってきた時は、限界まで自分を追い込みたい。それがカラムをセンターフォワードに置くということであれば、俺がアシストに回ることに異議はない。ありがとう。(※日本語で)アリガトウ」
※ジェイク、カラムはノーコメント
【試合後の辻&フィンレー&鷹木&モロニー、ヒロム】
▼辻「今日はここで言わなきゃいけないことがある。今までBULLET CLUB WAR DOGSと無所属は共闘関係を続けてきた。だけど、それは今日で終わりだ。俺たちの共闘関係は今日で終了する。俺たちは一つのユニットとしてこれから闘っていく。俺たちの名は“Unbound Co.(アンバウンド・カンパニー)"。誰にも縛られない組織だ」
▼鷹木「何も変わんねぇよ、オイ! 俺もヒロムも大貴も、何も変わんねぇ。何にも誰にも縛られず暴れ狂うだけだよ。やることは変わらねぇ。ただ、俺とモロニーは“WAR DRAGONS"、いや“キタキタブラザーズ"、彼らと組めば新日本プロレス、もっと面白くなるだろうな。なぁ、ヒロムちゃんよ!」
▼ヒロム「もっと、もっと、もっと、もっとおもしろくさせましょうよ」
▼鷹木「OK!」
▼辻「新日本プロレスよ、覚悟はいいか!!(※と叫んでヒロム、ゲイブ、コナーズと一緒に先に引き上げる)」
▼鷹木「(※英語で)大丈夫か?」
▼モロニー「いや、大丈夫じゃない。HENARE、お前リングで俺になんて言った? 『頭の傷を見ろ、お前ら俺を殺しかけたんだぞ』だと? 俺にも同じ傷が頭にあって、次のツアーには復帰したんだ!! (※鷹木に対して)クソが! あのケージマッチのことをHENAREはいつまでも嘆いてやがる」
▼鷹木「(※英語で)アァ」
▼モロニー「ケージマッチで大きなダメージを受けたって。俺は、裂けたばかりの上腕二頭筋で、あのケージに入っていたんだ。テーピングで固めた状態でな! 俺は(※フィンレーを指し)あの男の命令で俺は仕事に徹したんだ。俺は2年もの間、休んでない。殺されかけたことを嘆いてもない。お前は本当に女々しいヤツだ。2年前のオーサカでお前の頭から流れた血が最悪だったと言うなら、この俺と(※フィンレーを指差し)この男で、お前の血を1滴残らず抜き切ってやるから覚悟しておけ。お前のマナも、スピリットも、情熱も、命そのものも。そのクソみたいな身体から全部引きずり出してやる。そして泣き言の続きができるように、ニュージーランドへ送り返してやる。シンゴ!」
▼鷹木「(※英語で)どうした」
▼モロニー「グレート-O-カーンのことは話したくもない。あのクソデブ野郎め」
▼鷹木「ハハハ!」
▼モロニー「あのクソデブ野郎のことはどうでもいい。どうする、シンゴ?」
▼鷹木「(※英語で)そうだな……」
▼モロニー「どうする?」
▼鷹木「(※英語で)やろう」
▼モロニー「俺も試合がしたい。コイツも試合がしたい。ケリをつけよう。2年の休みを経て、どっちがゲンキか見てみようぜ、HENARE」
▼鷹木「(※日本語に戻して)HENARE、オイオイ、1年以上休んでて、よくぞな、オイ、コンディションだけは戻したな。だがヒザにはオイ、しっかり傷跡が残ってんだろ? 容赦しねぇからな、コノヤロー! 俺たちに喧嘩売ったんだから、とことん潰してやるよ。オーカーン! HENARE! 俺たち、キタキタブラザーズは昨年末の『WORLD TAG LEAGUE』でしっかりインパクト残してんだ。そのお前らに見せてやるよ、俺たちの実力を!(※と言って、モロニーと一緒に引き上げる)」
▼フィンレー「わかるか、カラム。最近マジで、お前が神経に障って仕方ない。何年ぶりかにウィル・オスプレイを目の前にして、俺がどれだけの暴力を引き出せる人間か、思い出させられた。SAVAGE KINGを呼び出したいって? ケージマッチの話を持ち出すんだな、カラム。いいだろう、ただ覚えておけ。俺が最後にウィル・オスプレイを見た時、あいつは自分の血の海に沈んでいた。暴力が欲しいだと? いいか、俺にとっての暴力と、お前にとっての暴力は、全く別物だ。俺にとっての暴力は血だ。俺にとっての暴力は折れた骨だ。俺にとっての暴力はお前のキャリアを壊し、リングから長期間消し去ることだ。いいか、カラム。俺はお前のことも、血の海に沈めることができる。しかもな、ケージなんて必要ない。武器なんてなくても、十分だ。シレイリも必要ない。俺はこの素手でやる」

