サッカーJ1アビスパ福岡で展開された、金明輝前監督の契約解消騒動は、日本サッカー界に大きな影を落とした。その理由は鳥栖監督時代に続く、2度目のコンプライアンス違反にある。福岡側は「関係者の個人情報への配慮ということ、事実関係の整理中」として詳細を発表していないが、古参のサッカー担当記者によれば、
「昨シーズンの福岡は、8月に5連敗しています。その際に選手やスタッフに対してパワハラがあったことは、我々の間に漏れ伝わっていました」
今回のコンプライアンス違反はクラブ側の自主判断ではなく、Jリーグ側からの報告によるもの。
「今後、それ以上に問題になるのは、金前監督のJFA Proライセンスです」(前出・サッカー担当記者)
金前監督はJクラブとアジアサッカー連盟に所属するプロクラブの監督として、指揮を執ることができるこのライセンスを一度、事実上、剥奪されている。2021年の鳥栖監督時代にパワハラ認定がなされたがことで、プロクラブを指揮できないA級ライセンスへの降格処分を受けたのだ。その後、日本サッカー協会(JFA)が更生プログラムを課したことで、2024年にこのProライセンスの再取得が認められた。
JFA関係者が厳しい表情で語る。
「これは技術委員会がライセンスの再取得に問題なしとして、JFA理事会の承認を得ることが必要です。金前監督の更生を認め、承認に向けて道筋をつけたのが、当時の影山雅永技術委員長でした。2024年に金前監督の再取得が決まった際には、影山前委員長は『僕は(金前監督を)応援します』と言い切っていた」
その影山前委員長は昨年10月、パリ行きの機内で児童ポルノを閲覧していたとして、解任されている。
Proライセンス取得までにはおよそ1年かかり、
「JFAに100万円近い講習料を支払い、海外クラブへの自費研修も必要になる。最低でも200万円ほどかかります。実はこのライセンス取得を狙うJFAの指導者は、W杯出場はもちろん、代表歴すらない元サッカー選手ばかり」(前出・サッカー担当記者)
さらにProライセンスは定期的に研修を受けなければ、更新できないが、
「選手時代の実績が全くない連中にどうして、いろいろ指導を受けなきゃいけないのか」(ライセンス取得者の代表OB)
そんな声が根強くあるのだ。
現場で「日本サッカー村」の一員になるためには必須な、このライセンス。選ぶ側、選ばれる側にしっかりメスを入れなければ、再びこの手の話が持ち上がることだろう。
(小田龍司)

