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広島大学が「虚空の幻熱」を検出する方法を考案

広島大学が「虚空の幻熱」を検出する方法を考案

「真空に潜む量子の熱」――アンルー効果観測への課題と展望

今回の提案により、「加速すると温かく感じる」という奇妙な予言を、ついに実験で確かめる道筋が見えてきました。

もし本当にアンルー効果が観測できれば、量子論と一般相対性理論のギャップを埋め、時空の本質を探る上で極めて大きな意味を持ちます。

いまだ誰も見たことのない「幻の熱」が現実に捉えられれば、人類の宇宙観に新たなページが加わることでしょう。

とはいえ、この提案はあくまで理論とシミュレーションに基づくものです。

実際に同じような超伝導回路を作り、極低温・小半径での高速度の円運動という条件で安定して動作させ、微小な信号を測るのは簡単ではありません。

また、本研究ではフラクソン・ペアの崩壊に関わる「量子トンネル効果(粒子が壁をすり抜ける現象)」など一部のメカニズムは十分に扱われておらず、今後さらに詳細に検討する必要があります。

その解明と実証実験に向けて、研究チームは解析を進めている段階です。

それでも、長年“不可能”と言われてきたアンルー効果の検出に、こんなアプローチがあったとは驚きです。

今回示された高感度かつ広帯域な検出手法は、将来的に量子計測などへの応用も期待できるかもしれません。

まさに「夢を現実に変える」第一歩につながる提案と言える成果であり、物理学の未開拓領域に挑む意義は大きいでしょう。

参考文献

量子と重力の架け橋:加速すると感じる「幻の熱」!? 宇宙の常識を覆す「量子の温もり」を測る新技術で新たな扉を開く〜超伝導回路で時空の謎解明へ、大きな一歩!〜
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/92660

元論文

Circular-Motion Fulling-Davies-Unruh Effect in Coupled Annular Josephson Junctions
https://doi.org/10.1103/mn34-7bj5

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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