1月2日に行なわれたミルウォーキー・バックスとシャーロット・ホーネッツの一戦は、手に汗握る好ゲームとなった。第4クォーター残り1分を切って116-114とホーネッツ2点リードの状況から、5回もリードが入れ替わる熱戦をバックスが122-121で制した。
勝敗を決したラストショットは残り4秒。ケビン・ポーターJr. のロブパスからヤニス・アデトクンボのアリウープダンクというドラマチックなエンディングだったが、勝負所で抜群の存在感を放ったのがライアン・ロリンズだ。
残り45秒にヤニスのパスから3ポイントを沈めて117-116とリードを奪い返すと、ホーネッツに再逆転を許した次の攻撃では、カイル・クーズマの長距離砲をお膳立て。
ロリンズはキャリア最多の6本の3ポイントを含む29得点に加え、8アシスト、4リバウンド、3スティールと攻守に奮闘。活躍度を示すゲームスコアではチームトップの33.0と、勝利に大きく貢献した。
そしてこの試合ではキャリア通算1000得点も達成。試合後には「1000得点のことはまったく意識していなかった。みんなに言われて気づいたんだけど、いい気分だね。でもここからもっともっと積み重ねていくことは間違いないよ」と語った。
2022年のNBAドラフトでアトランタ・ホークスから2巡目44位で指名を受けたロリンズは、当日のトレードで加入したゴールデンステイト・ウォリアーズでNBAデビュー。
ただ、右足小指の骨折でルーキーイヤーは12試合で平均1.9点、0.5アシストと、さしたるインパクトは残せず。オフにワシントン・ウィザーズに放出されたが、24年1月に解雇。その1か月後にバックスに拾われた。
バックスでも当初は2WAY契約だったが、昨季途中にスタンダード契約に昇格。30分近い出場時間を与えられた試合ではコンスタントに2桁得点をあげ、ディフェンスでも手を抜かない姿勢が評価され、昨夏に3年契約を手にした。
決して順調とは言えないキャリアを送ってきたためか、本人は通算1000得点についても、「ありがたいことだよ。恵まれてると感じている」と感謝の言葉を述べ、「でも1000に到達したら次は2000だ。続けていかなきゃいけない」と精進を誓った。
この試合、大黒柱のヤニスは30得点、10リバウンド、5アシストを記録。キャリアで“30-10-5”を達成した試合数を158に伸ばし、ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)からゲームボールを渡されたが、“グリーク・フリーク”はこれをロリンズにプレゼントした。「ドックは自分にボールをくれたけど、ライアンが手にするのがふさわしいと思ったんだ。今日も29得点と素晴らしいパフォーマンスで1000得点を達成した。彼にとって、これは立派な成果だ。タフなショットを決めたり、果敢にペイントに攻め入り、相手のゴール下でもプレッシャーをかけ続けたり...。ディフェンスでも、ものすごくアクティブに仕事してくれる。素晴らしいよ」と、エースは後輩を労った。
大黒柱から称賛されたロリンズは、偉大な先輩から学んだことについてこう答えている。
「彼から一番学んだのは、浮き沈みがあっても、調子が良い時も悪い時も、一喜一憂しないということ。うまくいっている時でさえ、そこからもっと良くできることを見つけている。
逆に、うまくいかなかった時や物事が思い通りに進まなかった時でも、取り組み方やルーティン、普段やっていることを変えずに、最初に成功を掴んだやり方を一貫して続けているんだ」
現在バックスは16勝20敗と負け越しているが、ロード4連戦の初戦となった4日のサクラメント・キングス戦に勝利し直近5戦で4勝と、徐々に歯車が回り出した印象もある。
「まずは1試合1試合を確実にものにしていくこと。そうすればまた、勝利の軌道に戻れる。自分たちのプレーはできてきている。まだ完全にそこには到達してはいないけれど、正しい方向に向かっていると感じているよ」
そう手応えを口にするヤニスに率いられ、ロリンズやポーターJr.ら若手も躍動しているバックス。ここからの挽回に期待したい。
文●小川由紀子
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