花や植物を愛する人に、悪い人はいない───。
ときたまこのような言説を聞くことがあるけれど、そうとばかりは言い切れない。たとえば今回ご紹介する作品の主人公は、植物をこよなく愛する「庭師」ですが、裏の顔は「殺し屋」です。彼は怪物か、それとも普通の人間なのか……。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixドラマ『ザ・ガーデナー』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
母親が営む園芸用品店で働いている、息子のエルマー。才能のある庭師として注目されるいっぽう、実はもうひとつの稼業である「殺し屋」としても暗躍していたのです。
ある日のこと、殺し屋ビジネスを仕切る母のもとに「ビオレタという女を殺してほしい」という依頼がきます。
いつものとおり、殺しの準備を粛々と進めるエルマー。ところがビオレタと過ごすうちに、いつしか恋心が芽生えてしまい……?
【ココが見どころ!】
<その1:庭師と殺し屋を兼業する男・エルマーの秘密>
一見すると、虫も殺せないような好青年に見えるエルマー。しかし裏の顔は「冷酷無慈悲な殺し屋」なのです。
殺しの計画を立てるときも、自家製の毒をターゲットに注入するときも、遺体を埋めるときも、いたって冷静。仕事を終えたあとにモリモリごはんを食べる余裕すらあります。
なぜならエルマーにとって、人を殺すのはものすごく簡単なことだから。彼は幼いころの交通事故で「感情」というものを失っていたのです。
<その2:先の見えない展開にハラハラドキドキ>
感情がないエルマーを変えたのは「恋」でした。ある偶発的な出来事によって感情が戻り、ビオレタに心を奪われてしまうのです。
これまでは母親から言われるままターゲットを粛々と殺してきたエルマーですが、愛した女性だけは殺せない。しかし母親にとっては、エルマーがターゲットを殺さないかぎり、殺し屋ビジネスが成り立たないわけです。
いっぽうそのころ、失踪者を追うふたりの刑事が、エルマー親子に疑いの目を向け始めていました。
三者三様の想いが入り乱れるなか、物語の中盤ではビオレタにも怖ろしい秘密があることが判明していきます。
エルマー、彼の母親、ビオレタ。みんなが秘密を抱えているからこそ、だんだん先が読めなくなっていく……。複雑に絡まり合った糸をほどきながら、物語の結末を推理してみて。

