MotoGPは2025年もドゥカティが3冠を達成したが、ライバルもその差を縮めてきた。その”立役者”となっているのは、現在の優遇措置制度だとドゥカティのライダーは語った。
2025年シーズンはドゥカティのマルク・マルケスが圧倒的強さを発揮した結果、ドゥカティは3冠を達成。しかし2024年ほどの優位性はなく、ドゥカティの支配が揺らいでいた。
2024年にドゥカティが勝利できなかったグランプリはわずか1回だったが、2025年は5回(ホンダ1回、アプリリア4回)もライバルに勝利を許しているのだ。
その他の記録ではスプリントレースの連続表彰台記録もオーストラリアGPで途切れ、同GPではドゥカティ勢がひとりも予選でフロントロウに並ぶことができないなど、ライバルの追撃が激しくなっている事がわかる。
ライバルの追い上げについて、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤとミケーレ・ピッロ(テストライダー)は、現行の優遇措置制度が役割を果たしていると主張する。
2025年シーズンの優遇措置制度の中で、ドゥカティは最も開発に制限がかかるグループAに属しており、アプリリア、KTMはグループC、ホンダ、ヤマハがグループDだった。
ドゥカティの属するグループAは、ワイルドカード参戦が認められず、テストライダーによるプライベートテストの機会もかなりの制限を受ける。
バニャイヤは最新型バイクでかなり苦しんだ1年だったが、優遇措置制度の影響について尋ねられると、次のように語った。
「答えるのは難しい質問だ。僕らのバイク自体はベストなモノだと思っているからね」
「今シーズン、僕は苦戦してしまった。それは事実だ。直近のシーズンでは常に高い競争力があったしミスもほとんどなかった。そして今(2025)シーズンはマルクがそうだった。ミスは少なく、5戦を残してチャンピオンになったんだ」
「僕は今でもウチのバイクは他のメーカーのバイクよりもはるかに強いと思っている。そしてテストや、より多くの優遇があることが、より素早く改善するチャンスになるのは事実だ。僕としてはテスト日数がもっとあれば、より良かったかもしれないとは思っている」
「でもこのルールはチャンピオンシップをより接戦にしていくためのモノだし、アプリリア、ヤマハ、ホンダ、KTMは、テストやワイルドカードを活用して自分たちの状況を改善するという点で、そのアドバンテージをうまく使ったと思う」
「それでも、ドゥカティがベストであることに変わりはないし、僕たちは与えられた条件の中でうまくやっているよ」
ドゥカティはテストやワイルドカード参戦を通じた改善が制限されていることで、マシン開発において取り組める範囲も狭まった。
テストライダーのピッロは、優遇措置制度が目的通りに機能しているというバニャイヤと見解を同じくしており、ライバル勢がドゥカティに挑むチャンスが与えられたと強調した。
「多くのジャーナリストは、他のメーカーが依然として優遇措置を与えられている一方で、ドゥカティが開発やテスト、テスト用タイヤの面で制限を受けているという事実に、あまり注意を払っていない」
ピッロはそう語る。
「普通のことではあるだろう。この制度はメーカー同士の差を縮めるために行なわれたものだからだ。レベルが昨年から急激に上がったというよりも、トップ争いができる競争力のあるバイクが増えたということだ。2024年と同じことをしているだけでは足りず、より多くのことをしなければならなくなった。それがこのレギュレーションの目的だ」
「アプリリアに関して言えば、最近のレースでの(マルコ)ベッツェッキや(トラックハウスのラウル)フェルナンデスの競争力を見れば分かるように、彼らは素晴らしい仕事をしていると思う」

