
画像は「けいおん!! コンパクト・コレクション」Blu-ray(ポニーキャニオン) (C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部
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ファンも驚く、想定外の副産物とは?
アニメのヒットは、視聴率や円盤の売上げだけでは語れません。ときに音楽チャートの歴史を書き換え、ときに思わぬ業界にまで影響を及ぼすことがあります。「まさかここまで影響が出るとは……」と驚いてしまう、アニメ人気が招いた異常事態を3つご紹介しましょう。
「安室さん人気」でハンコが異例の売れ行きに
いまや新作映画の興業収入が100億円超えを記録する『名探偵コナン』ですが、そうした熱狂が生まれるきっかけのひとつとなった存在が「安室透」です。安室透、「降谷零」「バーボン」と3つの名前を持ち、トリプルフェイスとうたわれる彼は、その端正なビジュアルも相まって瞬く間に注目を集めました。
2018年に公開された劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』では、メインキャラクターとして物語の中心を担い、彼の魅力に心を掴まれた女性ファン(通称:安室の女)が続出。そしてその熱狂は、意外な方面にまで波及します。昭和2年創業の老舗印章店「吉本三星堂」において、「降谷」姓のハンコが異例の売れ行きを記録したのです。
当時は「鈴木」や「佐藤」といった一般的な名字のハンコを上回る売れ行きを見せたそうで、あまりの反響ぶりに、さまざまな書体の「降谷」が確認できる注文フォームまで設けられました。あれから5年以上の月日が経過した現在も、同店のオンライン販売ページでは「降谷」専用の注文フォームが確認できます。
音楽業界に衝撃を与えた『けいおん!』の快挙
アニメの人気が現実世界に影響する形は、決してひとつではありません。キャラクター消費にとどまらず、音楽業界に大きな衝撃を与えた作品として知られるのが、アニメ『けいおん!』です。
軽音楽部に所属する女子高生の青春を描いた本作は、深夜帯での放送であったにもかかわらず、モデルとなった滋賀県豊郷町への聖地巡礼や、劇中に登場した楽器のモデルが爆発的に売れるなど、社会現象を巻き起こしました。
さらに劇中バンド「放課後ティータイム」の楽曲も絶大な人気を誇り、アニメ第2期のオープニングテーマ「GO! GO! MANIAC」とエンディングテーマ「Listen!!」は、2010年5月10日付のオリコンシングルランキングで、初登場1位と2位を獲得しています。
当時は現在ほどアニメや声優文化が一般層に浸透しておらず、アニメのキャラクター名義で首位を獲得するのは、これがオリコン史上初の出来事でした。しかも女性歌手によるシングル1、2位独占は、1983年の松田聖子さん(「瞳はダイアモンド/蒼いフォトグラフ」、「ガラスの林檎/SWEET MEMORIES」)以来の快挙となります。こうした記録からも、『けいおん!』の人気がいかに規格外だったかがうかがえます。
「ラスカルブーム」が巻き起こした思わぬ事態
もっとも、アニメが社会に与える影響は、必ずしもポジティブなものばかりとは限りません。1977年に放送されたアニメ『あらいぐまラスカル』は、動物好きな11歳の少年「スターリング・ノース」が、あらいぐまの「ラスカル」と友情を育む物語で、ふたりの別れを描いたラストは「泣ける最終回」として、いまなお語り継がれています。
本作の大ヒットをきっかけに、アライグマはペットとしても人気を集め、一般家庭で飼育されるケースが増加しました。ところが劇中でも触れられていた通り、アライグマの成獣は気性が非常に荒く、飼育が難しい動物です。結果として、手に負えなくなった個体が無責任に野へ放たれるケースが相次ぐことになります。
そうして野生化したアライグマは各地で繁殖し、農作物への被害や在来種への影響など、深刻な問題を引き起こす害獣と化しました。なおアライグマは2005年に特定外来生物に指定され、現在は輸入および愛玩目的での飼育が原則として禁止されています。
