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「全員でオールを漕いでいく」。志垣ジュビロの新たな船出。攻守で主導権を取る「アクションフットボール」をいかにレベルアップさせるか

「全員でオールを漕いでいく」。志垣ジュビロの新たな船出。攻守で主導権を取る「アクションフットボール」をいかにレベルアップさせるか


 J2のジュビロ磐田は1月5日、新体制発表と初練習を行なった。磐田市内の会場では志垣良新監督をはじめ、磐田U-18から昇格したDF甲斐佑蒼とFW石塚蓮歩、大卒ルーキーのDF吉村瑠晟(関西大学)、横浜FCから加入したDF山﨑浩介、昨夏にJ1のサンフレッチェ広島から期限付き移籍し、完全移籍となったMF井上潮音が登壇。それぞれが今年にかける思いを語った。

「心技体のすべてにおいてレベルアップを図り、その基準を上げることで、より成長、より結果を求めて、力強く進んでいきた」と藤田俊哉スポーツダイレクター。コーチからの昇格という形で、クラブから新たに命運を託された志垣監督は「何としても早くJ1に復帰して、また全国を魅了するような、そして世界に打って出ていけるようなサッカーを、その礎をまずはしっかり築いていきたい」と決意を語った。

 ここからの半年間は、夏にスタートするシーズンへの移行でもある。J2とJ3の混合戦となる百年構想リーグをどう戦うか、この期間にどういったものを積み上げていくかはクラブの戦略による。志垣監督は「クラブとして百年構想リーグもトップを獲りにいくという明確な目標がある」と語る。成長と結果をいかに癒合させていくかがテーマになる。
 
 その鍵を握るのが、新戦力や若手選手の台頭もそうだが、攻守にわたりアグレッシブに主導権を取っていく「アクションフットボール」をいかにレベルアップさせるかという基準において、志垣監督の守備構築は生命線だ。ただし、単に失点を減らすための守備強化にとどまらず、攻撃といかにリンクさせていくかが大事になってくる。

 そう語る志垣監督は、良い攻撃で終われば良い守備につながるというビジョンを持つが、キーワードとなる「プログレッション」(前進)という言葉の通り、ボールを握る時間を長くするよりは効率良くボールを縦に運んで、高い位置でフィニッシュを狙っていく戦い方がベースになりそうだ。

 昨シーズンに引き続き、J2で戦うことになるが、井上の完全移籍という形での“残留”は大きい。昨年は半年間でジョン・ハッチンソン監督、終盤戦を指揮した安間貴義監督のもとでクオリティの高いプレーを見せて、中盤から攻守両面に良い流れをもたらした。「自分の年齢を考えると1年半、J2というのは正直、迷ったところではあった」と語るが、1年半後に昇格するという目標をクラブと共有して、引っ張っていく思いを明かしたのは印象的だった。
 
 さらに名古屋グランパスから期限付き移籍期間の延長という形ではあるが、昨シーズンに6得点・3アシストを記録した倍井謙も残留。志垣サッカーの主翼として、攻撃を引っ張っていくことが期待される。

 アルビレックス新潟から植村洋斗、SC相模原から西久保駿介、栃木SCから藤原健介が復帰しており、あらためて彼らが主力に定着できるかどうかも、百年構想リーグからの躍進を左右しうる。

 夏からはシーズン移行に合わせて、U-21リーグ参加という新たな試みもある。U-18プレミアリーグに昇格したユースチームは安間監督がトップチームから戻る形で率いるが、磐田ではU-21はセカンドチームというより、育成年代のトップという位置付けになる。

 18歳の甲斐や石塚、高卒ルーキーのDF増田大空(流通経済大柏)は当然、U-21リーグの出場資格を持つが、U-23アジアカップに参加中のMF川合徳孟のように、年齢に甘えずポジション争いに絡んでいくことが、チームの底上げにつながる。

 期待の若手の一人である増田は全国高校サッカー選手権でチームがベスト4に勝ち上がっているため、新体制発表は欠席したが、増田と同じ左サイドバックで、主力の座を狙う吉村にも飛躍の期待がかかる。全日本大学選抜のメンバーであり、大学3年次に磐田内定となり、特別指定選手として、しばしばチームに帯同していた。

 左サイドバックには松原后という第一人者がいるが、吉村は「ライバルが多いに越したことはないですし、そのなかでどれだけ自分が成長できるかというのをこれからもっとやっていきたい」と意気込む。
 
 スタメンを決めていくにあたり、志垣監督は選手たちが「なんで、あなたじゃないとダメなのか」を表現していくことが、試合に出ることにつながると強調する。練習では価値をしっかりとアピールして、試合ではチームの勝利のために戦う。それこそが志垣監督のモットーだ。これまでFC大阪、レノファ山口FCでも志垣監督はチームを船に例えてきたが、その理由を改めて教えてくれた。

「みんなで力強くオールを漕いでいくという。本当にね、長いシーズンでいろんな環境だったり、荒波に飲まれることもあると思うんですけど、そのなかで全員でオールを漕いでいく。そのオールを漕いでいくなかでも、前でチームを引っ張る選手もいるでしょうし、オールを漕いでるけど、自分のことで精一杯の選手も多いでしょうし、後方で少し重しになってしまう選手も出てくる。それが組織だと思うんですね。ただ、本当に長いシーズン、みんなで手を止めず、足を止めずにやっていく」
 
 イギリスなどではチームのキャプテンを、船長を意味する「スキッパー」と呼ぶが、そのキャプテンに関して志垣監督は「今までだったらキャンプ中に決めてたんですけど、期間がいかんせん短いので。もう少しゆっくり、しっかり、1年を任せるわけなので。コーチ陣としっかり話して決めたい」と明かした。

 もちろん42歳のGK川島永嗣が引き続き、キャプテンを担う選択肢もあるが、指揮官は「永嗣なんかは任せなくても、キャプテンシーを発揮してくれると思います。ただ、そこも含めて、変な固定観念にとらわれずに、フラットに見て決めたい」と語る。
 
 初練習の最後には見学に来た子どもたちをグラウンドに集めて、ミニサッカーが行なわれた。「地域とつながる、選手同士もつながる、スタッフともつながる。そこに書いてある「夢と感動を共に」という言葉の通り、選手は憧れの存在でしょうし、一緒に地域を盛り上げていけたらなと思います」と志垣監督。ここから地元地域、磐田を応援するサポーターと一体になって、昇格への道を切り開いていけるか。

 半年間の百年構想リーグだけでなく、ここから昇格に向けた1年半の航海がスタートした。

取材・文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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