技術と偶然が重なって測れた「重さ」
自由浮遊惑星は自ら光を放たないため、直接観測するのは容易ではありません。そこで活躍したのが「重力マイクロレンズ法」です。
惑星が遠くの恒星の前を通過すると、その重力によって恒星の光が曲げられ、一時的に明るく見えます。この現象を手がかりに、姿の見えない天体を捉える手法です。
これまでも、この方法で候補天体はいくつか見つかってきました。ただ、距離が分からず、正体を断定できないケースがほとんどだったのです。
今回は、地上望遠鏡で現象が観測されたタイミングで、ガイア衛星が偶然にも同じ方向を向いていました。この“幸運な重なり”によって距離が特定でき、光の歪みが続いた時間から質量の算出が可能になりました。
質量は、その天体が本当に惑星なのか、それとも褐色矮星のような別の存在なのかを見極める重要な指標です。今回の観測によって、この天体が正真正銘の自由浮遊型惑星であることが、初めて技術的に証明されました。
いまだ知られていない世界があふれている宇宙
研究者たちは、こうした自由浮遊惑星が天の川銀河に数多く存在している可能性を指摘しています。理論上は、恒星の数を上回るかもしれない──そんな見方さえ出てきました。
惑星が放浪する理由も、一つではありません。
誕生直後、惑星同士の激しい重力作用によって弾き出される場合もあれば、近くを通過した別の恒星に影響され、宇宙空間へ放り出されることもあります。さらに、恒星を生み出すガスと塵の雲から、最初から単独で誕生する惑星が存在する可能性も考えられています。
宇宙には、まだ知られていない世界があふれている──今回の発見は、その事実をあらためて実感させる出来事と言えるでしょう。

