朝晩は凍えるような日が続く今日この頃。春の暖かさが恋しいばかりである。
以前X上では、極寒の中で放置されたバイクから現れた「驚きの物体」に、注目が集まっていたのをご存知だろうか。
■一見普通のバイク、よく見ると奇妙な物が…今回注目したいのは、Xユーザー・もりりんさんが投稿した1件のポスト。
「え、ガチでなにこれ」と綴られた投稿には、1台のバイクを収めた写真が添えられている。一見すると、何の変哲もない光景なのだが…。

よく見ると、バイク車体には「謎のカリフラワー」といった出立ちの、白い結晶体が付着していたのだった。
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■正体は「ガソリンの花」?こちらの光景は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「初めて見た」「何これ? キノコ?」「尿路結石に見えた」「何かの卵に見えた…」「よく分からないけど、ヤバそう」など、驚きの声が多数寄せられていた。
また、中には「ガソリンのお花ですね」「ガソリンです。私が以前乗ってたスクーターも、燃料漏れで同じ結晶ができました」といった具合に、同様の経験があると思しき人物からのコメントも確認できた。

ポスト投稿主・もりりんさんはことの経緯について、「ガソリン漏れを一晩放っておいたら、この状態になっていました。夜の寒さは氷点下になっていたと思います」と振り返っている。
しかし、ガソリンが凍る温度(凝固点)が「-100℃」である点を考慮すると、日本国内で「ガソリンが凍ってしまう」という状況は非常に考えづらい。
そこで今回は、ガソリン、およびバイクの専門機関らに詳しい話を聞いてみることに…。
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■石油連盟は「ガソリンは凍らない」と断言まずは「石油連盟」に、今回の現象について話を聞いてみる。
すると、同連盟の担当者は「写真を見ただけでは、責任ある回答はできかねます」と前置き。続けて、「気温が氷点下となる時間帯もあったとのことでしたが、ガソリン単体では、氷点下前後の温度では凝固しません」と、断言している。
その詳細について、「JIS規格で定められているものではございませんが、製品データシートなどの資料によれば、自動車用ガソリンの凝固点は-40℃以下とされております」「もちろん『以下』ですので、-40℃で凍る、という意味ではありません」と、補足してくれた。
そのため、今回誕生した結晶は「ガソリンそのもの」ではなく、漏れたガソリンの気化熱により凝固した「周辺の水分」を多く含んでいるのではないだろうか。
石油連盟の担当者も「ガソリンが漏れているという前提条件であれば、こちらの物質に漏れたガソリンが混入している可能性がございますので、安全を確認するのであれば、漏れたガソリンをきちんとふき取ったうえで、バイクを整備に出された方がよろしいと思います」と語っていた。
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■日本二輪車普及安全協会は「危険な状態」インパクトの大きい「謎の結晶」に目を奪われてしまいがちだが、そもそも「ガソリン漏れ」は、非常に危険な状態である。

一般社団法人「日本二輪車普及安全協会」は今回の写真を見て、「このような状態でバイクを発進させた場合、ガソリンに引火してバイクが燃える危険性があります」と、分析する。
こちらを踏まえ、「ガソリン漏れの状態では引火して危険があるため、定期的な点検が必要です」と、日頃からの点検の大切さについて語ってくれた。
昨晩もかなりの寒さだったため、またどこかのバイクに「ガソリンの花」が咲いているかもしれない?
この記事は2025年2月10日に公開された記事を編集して再掲載しています。
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■執筆者プロフィール秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)