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”性的な罪悪感”を抱く女性は「性機能が低下」する

”性的な罪悪感”を抱く女性は「性機能が低下」する

性的な罪悪感や不安をもつ女性は、性機能が低下する / Credit:Canva

性に対する罪悪感や不安は、実際の体験にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

インドネシアのメルクブアナ大学(UMB)の研究チームは、成人女性を対象に、性への罪悪感や不安と「性的機能」との関係を詳しく調べました。

その結果、罪悪感や不安の気持ちが強い女性ほど、性的な満足や身体反応が低くなりやすいことが分かりました。

この研究は2025年11月1日付で、『Papers from the International Association for Cross-Cultural Psychology Conferences』に掲載されています。

目次

  • 性的な罪悪感と不安がある女性は性機能が低下する
  • 罪悪感と不安は、どうやって「体の反応」を弱めるのか

性的な罪悪感と不安がある女性は性機能が低下する

女性の性に関する悩みは世界的に多く報告されています。

欲求が湧きにくい、興奮しにくい、オーガズムに達しづらい、痛みを感じるといった問題は、生活の質やパートナーとの関係にも影響します。

しかし、こうした問題はホルモンや病気だけが原因ではありません。

気分や自己イメージ、パートナーとの関係、そして「性はどうあるべきか」という文化的な価値観も深く関わっています。

インドネシアでは、イスラム的価値観に支えられた「理想的な道徳」が重視され、多くの人が「婚前や婚外の性行為は慎むべきだ」と考えます。

性に関する話題そのものも、家族や社会の中で語りにくい雰囲気があります。

研究チームは、こうした背景が「性に対する罪悪感」や「性に対する不安」を生み、それが実際の性的体験の質に影響しているのではないかと考えました。

そこで研究者は、ジャカルタ首都圏に住む19〜40歳の女性169人を対象にオンライン調査を行いました。

全員が「性的に活動している」と回答した女性です。

参加者は、性的欲求・興奮・潤滑・オーガズム・満足感・痛みの有無を測る女性性機能指数(Female Sexual Function Index)、性に対する罪悪感を測る質問票、性に対する不安を測る質問票に回答しました。

また既婚・未婚や学歴、子どもの有無といった属性情報も合わせて集められています。

そしてこれらを分析した結果、性に対する罪悪感や不安が強い女性ほど、性的機能の得点が低い傾向があることが示されました。

また、独身女性は、既婚や交際中の女性に比べて性的機能が低い傾向も見られました。

より詳しい結果とその背景にある心の動きについて、次項で確認しましょう。

罪悪感と不安は、どうやって「体の反応」を弱めるのか

研究では、まず性に対する罪悪感と性に対する不安が区別されています。

性に対する罪悪感とは、「こんなふうに感じる自分は良くないのではないか」「自分は間違ったことをしているのではないか」と、自分で自分を責めてしまう気持ちを指します。

一方、性に対する不安は、「周りからどう思われるだろう」「悪い子だと思われないだろうか」と、他人の目や世間のルールを強く気にしてしまう気持ちです。

どちらもよく似たブレーキですが、前者は内側の道徳感情、後者は外側の評価への恐れが中心です。

実際のデータでは、どちらも性的機能と中程度以上の強さでマイナスの関連があり、特に性に対する不安の方が、性的機能の低さと強く結びついていることが分かりました。

さらに、罪悪感が強い人は不安も強くなる傾向があり、二つの感情がセットで高まりやすいことも示されています。

では、これらがどのように体の反応にまで影響するのでしょうか。

性行為の最中に、「これは良くないことではないか」「変に思われないだろうか」といった考えが頭の中を占めると、心と体はリラックスしにくくなります。

本来なら快感や興奮に向かうはずの注意が、不安や自己否定に向かってしまうためです。

その結果、興奮しづらくなったり、潤滑やオーガズムが起こりにくくなったり、痛みに敏感になったりする可能性があります。

また、この研究では、独身女性は既婚女性に比べて性的機能が低い傾向が示されました。

インドネシアの社会では、結婚していることが性行為の正当性や安心感と結びつきやすいと考えられます。

一方で、子どもの有無による明確な違いは見られませんでした。

ただし、この研究は一時点の調査に基づくものであり、因果関係を断定することはできません。

また、調査対象が都市部に限られており、性の話題がタブー視される中で、回答が控えめになった可能性もあります。

それでもこの研究は、性機能が身体だけではなく、文化や価値観から生まれる罪悪感や不安と深く結びついていることを、具体的なデータで示しました。

もし性の悩みを抱えているなら、体質だけではなく、心と社会がつくる見えないブレーキにも目を向ける必要があるようです。

参考文献

Women experiencing more sexual guilt have worse sexual functioning
https://www.psypost.org/women-experiencing-more-sexual-guilt-have-worse-sexual-functioning/

元論文

The Relationship Between Sex Guilt and Sex Anxiety on Sexual Function in Sexually Active Adult Women
https://doi.org/10.4087/UMLS7561

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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