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ばけばけ・ウソが大嫌いで「義眼も付けなかった」小泉八雲 建前だらけのトキたちにキレるのも当然な苦労続きの人生

ばけばけ・ウソが大嫌いで「義眼も付けなかった」小泉八雲 建前だらけのトキたちにキレるのも当然な苦労続きの人生


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

【画像】え…っ! 「めっちゃ立派やん」「美しい」 コチラがトキとヘブンが今後引っ越す「武家屋敷」の現存する姿です

とにかく嘘が嫌いだったラフカディオ・ハーン

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、1890年に来日し、『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・小泉セツさんがモデルの物語です。

 第14週では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」と「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が夫婦になりましたが、トキは自分が女中としてもらっていた給金で生家の実母「雨清水タエ(演:北川景子)」と弟「三之丞(演:板垣李光人)」を養い、養家・松野家の多額の借金を返済していたことを言い出せずにいました。

 69話ではそんな状況を見かねた「錦織友一(演:吉沢亮)」が、ヘブンとふたりきりになった際にトキの家庭の事情を説明します。話を聞いたヘブンは、松野家と雨清水家の両方を養わなければならないという金銭的問題よりも、なぜそれを自分に隠すのかを気にしていました。

 錦織はヘブンに「本当の気持ちを隠すことで相手といい関係を築こうとする日本の文化」として「建前」という言葉を説明し、トキがいつか真実を話すのを待ってあげてほしいと言います。ヘブンはそれを聞いても、納得がいかない様子でした。

 また、69話では三之丞に社長になったと嘘をつかれていたと知ったタエが、「その嘘を貫かせてあげたい」と、トキに協力を求めます。

 そして、69話終盤では、さまざまな秘密が伏せられたまま、松野家、雨清水家、錦織も交えた結婚披露パーティーが開かれました。松野家はトキの実の家族のように振舞い、タエと三之丞(社長)はただの親戚として紹介されます。

 そんな嘘だらけの状況に不信感を募らせたヘブンは、「家族ナル、デキナイ」とその場を出て行ってしまいました。このままでは、トキとヘブンの結婚も破談になってしまいそうですが、明日以降どうなるのでしょうか。

 ヘブンのモデルのラフカディオ・ハーンさんは、とにかく嘘が大嫌いだったそうで、小泉セツさんは後年の手記『思ひ出の記』のなかで、彼の嫌いなものとして真っ先に「うそつき」をあげています。さらにセツさんは、ハーンさんの性格に関して「極正直者」「ただ幼少の時から世の悪者共に苛められて泣いて参りましたから、一国者(頑固者)で感情の鋭敏な事は驚く程でした」とも語っていました。

 また、長男の小泉一雄さんも、著書『父小泉八雲』のなかで、とにかく正直になるようにしつけられたことや、ハーンさんが嘘嫌いゆえに失明した左目の義眼や義歯を付けなかったことを振り返っています。

 ハーンさんは幼い頃に両親と生き別れ、育ててくれた大叔母が親戚の事業への投資で失敗して破産し、学校を中退する羽目になるなど、とにかく苦労の多い人生を送ってきました。渡米後も、混血のアリシア・フォリーさんと結婚したせいで同僚に差別されて新聞社の正社員の立場を失い、その後レストランを開くも相棒の男に売上金を持ち逃げされるなど、人間関係で辛酸をなめています。

 当初はハーパー社という雑誌社の特派員として横浜にやってきたハーンさんが、松江に英語教師として赴任することになったのも、一緒に来日したウエルドンさんという挿絵画家の方が自分よりも報酬が高いと知った彼が、ハーパー社に絶縁状を送りつけたことがきっかけでした。

 ヘブンもハーンさんのように「世の悪者共」によって苦しめられてきたため、人一倍嘘が嫌いになっていると思われます。今後、トキは自分の出生や松野家の借金事情、三之丞が働いていないことなどを彼に正直に話すのか、要注目です。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『父小泉八雲』(小山書店)、『小泉八雲 漂泊の作家 ラフカディオ・ハーンの生涯』(毎日新聞出版)

配信元: マグミクス

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