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本当に「幻」になったガンプラ企画「MS-X」 企画書でわかった衝撃の商品展開とは?

本当に「幻」になったガンプラ企画「MS-X」 企画書でわかった衝撃の商品展開とは?


「ジョニー・ライデン専用ザク」など、「MSV」で展開されたMSに続く企画があった…? 画像は「HGUC MSV MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザク 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

【画像】「えっ、妄想では?」「見てみたかった」これがMS-Xで登場したかもしれないメカたちです(6枚)

MS-Xが「幻」に終わったワケとは?

 第1期ガンプラブームの末期、「MSV(モビルスーツバリエーション)」の後継企画としてスタートした「MS-X」は、「ペズン計画」と呼ばれる物語となる予定でした。しかし思わぬ時代の波に飲み込まれ、企画は幻となってしまいます。

 ガンプラの再活性化を果たした「MSV」でしたが、従来のMS(モビルスーツ)のバリエーションという設定上、そのラインナップには限界がありました。そこで新型MSを登場させようと企画されたのがMS-Xです。

 しかし、このMS-Xは完全なる新規MSかというと、少々違いました。「ガンダム記録全集」などで公開された、『機動戦士ガンダム』が打ち切りでなかった場合のストーリー原案、通称「トミノメモ」に残されたMSから生まれたものです。

 そのため当時の大人のファンには「そういえば聞いたことがある」MSであり、小学生にとっては未知のMSだったといえるかもしれません。そのため、大河原邦男さんによるデザインが公開された時は、一様に喜びと驚きで迎えられました。

 しかしMS-Xは、それ以上の陽の目を浴びることはなく終わります。それは『機動戦士ガンダム』の続編となるTVアニメ『機動戦士Zガンダム』の放送が決まったからでした。そちらに商品展開を集中させるため、MS-Xは木型まで製作されていたのに中止となります。

 こうした経緯からMS-Xは設定どおりに「幻」となってしまいました。もっとも、その後の「ガンダム」シリーズの設定のなかには残され、現在ではそれなりの知名度を持つに至ります。

 しかし、もしもMS-Xがシリーズ展開していたらどうなっていたのでしょうか。当時に作られた企画書には、その内容を知る手がかりがありました。


「ペズン計画」で開発されたとされる、支援・防空用のMS「ギガン」。画像は「MOBILE SUIT ENSEMBLE 18.5 178 ギガン」(バンダイ)

まさかのラインナップも? 予定されていた「商品展開」とは

 当時の企画書から、あまり知られていないMS-Xについて紐解いていきます(企画書の設定には現在の公式設定や名称と違う部分がある点をご注意ください)。

 舞台となる時期は「地球連邦軍」が「ジオン公国」本土進攻作戦を計画し始めたころ。その動きを察知したジオンは「ア・バオア・クー」で兵器の改良と試作品の製作に着手します。その中心となったのが局地戦用兵器開発プロジェクト「ペズン(PEZN)」でした。

 その試作第1号が「ガンダム」に対抗してマグネットコーティングを施した「ザク」の改良型「アクト・ザク」。それと平行して「ギャン」に「ゲルググ」の機動性を加えた「ガルバルディ」の開発も始まります。そして対MS戦用以上に力を入れたのが対艦用兵器の開発でした。その結果、試作されたのが「ギガン」と「ガッシャ」です。

 これに加えてMSの追加装備として「スキューレ」が開発されました。さらに地球侵攻用にMS用大気圏突入カプセルの設計も進められましたが、テスト段階で優先度から見送られることとなります。

 一方の連邦軍では要塞破壊に力点を置き、「ルナツー」でMS用装備「バストライナーD」を開発しました。さらに「デン・バザーク大佐(42)」の部隊に、ジオンの兵器開発状況を探るよう命令を出します。……というのが大まかな開発ストーリーでした。

 ちなみにメモ書きとして、他のジオン軍未登場MSとして「ガラバ」「キケロガ」「ドク」の名前も挙がっており、さらに連邦側には「Gキャリアー」も記載されています。これらはMS-Xの第2弾として名前が挙がっていたのかもしれません。

 さらに企画書の最後に書かれていたメモが衝撃的です。そこには発売ラインナップと思われるものが記されていました。

1 ゲルググ+ギャン
2 ビーム砲
3 ズゴック風(ミサイルポッド可動)
4 MSタンク
5 ガンダム リファイン

 あくまでも予定だったのでしょうが、このメモ通りならガルバルディがMSVの「MS-06R」のようなフラッグ商品として考えられていたと推測できます。そしてガンプラとしての発売が最初だったガンダムのリファインも企画されていたのかもしれません。

 企画書では対艦戦を視野に入れた表現が多く、MSVと違ってMS用の支援兵器にも力を入れています。同時期に考案されたというザク用の移動用ロケットボート「スクート」や、ジム用の飛行ユニット「コルベットブースター」「ライトライナー」などがそうです。これらは商品のプレイバリューを考慮し、MSと組み合わせられる兵器なのでしょう。

 この企画書は最初期のものであるようで、後に詳細を煮詰めたのでしょう。しかしMS用支援兵器は、後の「ガンダム」シリーズに先駆けて注目していた点は先見の明だったといえるかもしれません。そしてMSVになかった方向性を模索していたことがわかります。ガンプラとして当時に発売されていれば、現在とは違った商品展開があったかもしれません。

配信元: マグミクス

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