
HKT48の地頭江音々が1月15日(木)に卒業写真集「ねね」(玄光社)を発売する。今冬にグループ卒業を控える地頭江にとって、卒業を記念した一冊となる。加入9年目で掴んだ初センターから2カ月後というタイミングで行われた卒業発表は、ファンに大きな衝撃を与えた。これからというときになぜ卒業を決めたのか。挑戦することより見守ることへ――移り変わっていた自身の気持ちと、最後の写真集に込めたファンへの思いをインタビューで聞いた。
■後輩を見守る気持ちで気付いた卒業という終着駅の場所
――まずはHKT48卒業を決めた理由から教えてください。
卒業は明確に何かがあったというよりは、緩やかに自分の中で感情が変わっていることに気付いたのがきっかけです。もともと私はセットリストを組んだり、演出だったり、ステージの見せ方を考えるのがすごく好きだったんですが、気付いたら自分が挑戦することより、後輩たちがどう輝くかという方に考えが向いていて。
ありがたいことにファンの方も増え、大きなポジションを担わせていただくことが増えてきたのですが、一方でそれを楽しむより、私が今まで経験してきたことを次は誰がやってくれるんだろうと考える方が楽しくなってきていたんです。
ということは、もう私はステージに立つことより、後輩たちやHKT48が成長していくのを外から見守るのが楽しみになっているんだなと気付いて、卒業しようと思いました。
――普段からセットリストや演出に関わるようになっていたのですか?
シャッフルユニットを考えたり、どのメンバーでどういうステージにすると楽しいだろうかって、そういうのをときどき提案していました。スタッフさんから「メンバー、誰がいいと思う?」と相談を受けることもありました。私、自分に自信はないですけど、人を見る目には自信があるんです(笑)。選抜かどうかは関係なく、この曲にはこの子が似合う、今だったらこの子が絶対いいとか。それで、スタッフさんも頼りにしてくださっていたみたいです。

■初センターから2カ月後の卒業発表、決意は変わらなかった
――「半袖天使」の初センターから2カ月後に卒業発表。このタイミングは誰も想像していなかったと思います。
これ、本当にめちゃくちゃ悩んだんですよ。これから来る未来、いつかは来る卒業の後に何がしたいかというのを自分だけではなかなか見つけられなくて、一度お話をさせていただいたこともありました。そのときは卒業する、しないの話ではなく、本当に自分の未来の話でした。
明確に卒業を決めたのは2024年の末で、まだ「半袖天使」のセンターは未定。自分がセンターになるとも思っていませんでした。で、卒業の意思を伝えて、発表をいつにしようかという話し合いの最中にセンターを任せていただけることになって。だから、私も「どうしよう…」と思って悩みました。
ただ、センターに選んでいただいた理由が、「ちゃんと評価をしてあげたかった」といううれしいものだったんですよね。「この10年、応援してくださる方が着実に増えてきたことをしっかり評価してあげたかった」という言葉を社長から頂いて。「そっか、私がやる意味があるんだ」と、新しい期の子たちが新センターとして生まれていく中で、10年目を目前にした私がセンターになるのには意味があると思ってやることを決めました。
あとは、もういつ卒業発表するかで、二択。夏前か、「半袖天使」リリース後の夏を越えた9月にするかで迷って。スタッフさんと相談しつつ、やっぱり今年の夏を最後だと知らずにファンの方が過ごすのは寂しいし、何より自分自身が寂しすぎる。涙なしで乗り越えられる自信がなくて、だったら先に発表して、みんなで最後の夏を過ごそうと思って7月に発表しました。

■アンコール前の着替え時間に知らせた卒業発表
――二択という話でしたが、「卒業するのをやめる」という選択肢はなかったのですか?
私の中ではなかったですが、「どうする?」という話は出ました。ただ、私も中途半端な気持ちで決めたわけではないし、私が卒業した後、「この子にあれをやってほしい」とかの思いが溢れすぎてしまっていて、もうそっちの方が楽しみになっていた感じですね。
――メンバーには卒業することをどんな形で伝えたのですか?
“卒業発表は自分のチームKIVの公演で”と決めて、当日は他のチームの先輩と、公演に出ていない自分のチームの先輩、同期のあきちゃん(豊永阿紀)にだけ先に伝えました。今村麻莉愛さんだけ、その日公演に出ている唯一の先輩で、それまでたくさんのことを打ち明けた仲だったので、言うかどうか直前まで迷ったんですよね。
ただ、秘密を共有している人がいると、途中で私の感情が溢れ出してしまいそうな気がして、麻莉愛さんには申し訳ないけど、結局言わずにそのまま公演に出て。アンコール前の着替えの時に同期のグループLINEには「今から卒業発表してくる」ってだけ送りました(笑)。
――そんなタイミングですか!? じゃあ、今村さんは何も知らずにアンコール前で。
驚いていましたね。本当、すみませんって気持ちで。LINEの反応も見ずにアンコールに出て行ったので同期も慌てたらしく、テレビ電話とかでつないで見守っていてくれたらしいです。なんか、みんな普段はクールぶって「同期の絆とか、別に」みたいな顔をしているんですけど、やっぱり気にしてくれているんだとうれしくなりました。
――後輩には“見守りたい”という思いは伝えたのですか?
みんなの前でしっかり話すということはしていませんが、これまでも、それこそ「半袖天使」のインタビューでも私の気持ちは話してきたので、思いは伝わっているんじゃないかと思います。

■HKT48を卒業した後の姿を想像してほしい一冊
――卒業写真集のリリース文には「『卒業した後の私の姿を想像してほしい』というリクエストで撮影された写真が収められている」と書いてありました。この「卒業した後の」というのは、どういうカットなのでしょうか?
卒業発表の後、ファンの方がすごく寂しがってくれたんですよね。だけど、私はそんなに湿っぽくなるとは思わなかったので驚いてしまって。だから、「卒業しても私はこうやって楽しく過ごしてるよ」というのを想像してもらえるように、素の私をたくさん収めてもらいました。
もともと理想のアイドル像というのもなくて、ずっと自然体でやってきたんですが、今回の写真集ではそれをもっと分かりやすく、卒業旅行という形にできればいいなって。だから、ロケ地も地元の九州から思いっきり離れた所、私も初めて行く場所がいいなって。それで北海道に決めて、あとは行く場所、そこで何をするとかは全部スタッフさんが“卒業旅行計画”を立ててくれました。一応「海鮮が食べたいなぁ」「カニが食べたいなぁ」というのは伝えて(笑)。
――初めての北海道はいかがでしたか?
やっぱり広大な自然がすごく良くて、ここから飛び立てるような開放感はすてきでした。あと、カニが最高でした(笑)。
宿泊したホテルから見る自然の景色がすてきで、暑くもなく寒くもなくという時期だったので、空気がすごく澄んでいたんですよね。ちょうど満月で、北海道で見る満月はこんなにきれいなんだって感動的でした。あと、まず北海道に行ったら、カニは絶対食べた方がいいです(笑)。
――カニの話、すごい出ますね(笑)。
大好きです。北海道に行って分かったのは、高価なカニは本当においしいんだなっていうことです(笑)。

■本当に仲のいい人にしか見せないとっておきの笑顔
――卒業写真集ということで、何か挑戦したことはありますか?
自然体にしたかったので挑戦というものはないですが、前作から大人の表情、大人の衣装が増えていますね。
ゴーカートに乗っているときの写真がお気に入りです。私、めちゃくちゃ楽しそうに笑っているなって、後で見てからびっくりしたくらいです。これこそかわいく撮られようとしていない、自然体の私です。
表紙もそうですけど、今回、こういう笑顔の私が本当に多いです。あきちゃんからも、「本当に仲のいい人にしか見せない笑い方してるね」って言われました。それくらい力も入れずに楽しんできた写真集、卒業旅行だったなと思います。
――全体を通してだと、どんなところが見どころになりますか?
頭からページをめくっていくと、あちこちでジャンプしているんですよ。自分的にはそれに、卒業という飛び立つ気持ちを実感して。ファンの方にもそうした私の旅立ちを見てほしいなと思います。

■これからの未来、自分がどうなっていくかが楽しみ
――2025年は、地頭江さんにとってどんな年になりましたか?
卒業を決めて、みんなに私の気持ちを伝えきれた一年だったと思います。本当は気持ちを伝えるのは苦手ではあるんですが、最後だからちゃんと伝えたいという気持ちが日増しに強くなって、HKT48のためにできることを最後にしっかり全うできたと思います。
――HKT48卒業後に追いかけていきたい夢や目標を教えてください。
HKT48にいた10年が濃すぎたので、今はまだ大きなことは何も考えられていないというのが本音です。これまではセンターの責任やステージの意識だったり、後輩のお手本になるとかだったり、背負うものがたくさんあったんですよね。それが嫌だと思ったことはないですが、そこから解放された自分がどうなっていくかがとにかく楽しみです。
変わっていくのか、変わらないままでいくのか、どんなことに興味を持っていくのか。精いっぱい、未来に向けて頑張っていきたいと思います。
◆取材・文=鈴木康道


