上野動物園のジャイアントパンダ「シャオシャオ」(オス)と「レイレイ」(メス)の返還期日が迫ってきた。1月下旬に中国に戻すことが決まっており、観覧は1月25日が最終日。すでに観覧の申し込みは終わっているため、今から2頭を見たいと思っても不可能だ。
日本には上野動物園の他にも、和歌山のアドベンチャーワールドに4頭のパンダがいたが、昨年6月に全て返還された。これで上野の2頭が返還されれば、日本からパンダはいなくなる。多くの人が次のパンダの貸し出しを期待しているが、それは難しそうだ。
「パンダ外交」という言葉があるように、中国にだけ生息しているパンダは、外交の道具として使われてきた。高市早苗首相の台湾有事発言によって、日中関係が悪化している今、次のパンダを借り受けるのは不可能とみられている。
上野動物園にとっても、次のパンダを借りられないのは大誤算。というのも、次の受け入れが着々と進められていたからだ。
上野動物園のパンダ舎はかつて、ランランとカンカンが来た時から、東園の正門を入ってすぐの場所にあったが、2020年に西園に新たな飼育展示施設「パンダのもり」をオープンさせ、シャオシャオとレイレイを展示してきた。この「パンダのもり」は、上野動物園における今後のパンダ飼育の拠点であり、今後もパンダを受け入れていくつもりだったと思われるのだ。
さらにもうひとつ、上野動物園が次のパンダ飼育を視野に入れていたことを示唆するものがある。それは園内を走るモノレールの撤去工事だ。
東園と西園をつなぐモノレールは老朽化を理由に2019年に運行を取りやめ、2023年に廃止されたが、2026年年度中に新たな交通システムの運行を開始することになっている。現在はモノレールの撤去工事が行われ、今年2月末に終了する。これこそが次のパンダを受け入れるつもりであった証拠だと、文化部記者は言うのだ。
「モノレールが廃止になった理由は『老朽化』だとされていますが、もうひとつ、『パンダのもり』の近くを通っていたからだといわれています。臆病なパンダにとっては、モノレールの音がよくないから運休になったとか。撤去工事は騒音が出るにもかかわらず、シャオシャオとレイレイがいるうちに行われました。これは次を迎え入れるためではないか、と。次が来ないのであれば、シャオシャオとレイレイを返還した後に工事すればいいわけですから」
上野動物園の準備がムダにならないよう、次のパンダが来てくれることを祈るしかないが…。
(鈴木誠)

