
1年で復帰の松本。厳しい環境を求めた鈴木。強い覚悟を示した2人が今年の広島を突き動かす大きな力になるはずだ
1月8日に広島がエディオンピースウイング広島で行なった新加入選手会見で、まず印象に残ったのがチーム編成を手がける栗原圭介強化部長の充足感だった。
指揮官が新たにバルトシュ・ガウル新監督に変わるなか、重視したのは大きな変化を求めないことだったという。61試合をこなした昨季を「ACLを戦いながらルヴァンカップ、Jリーグ、天皇杯とタイトルを最後までタイトルを目ざし続け、ルヴァンカップのタイトルを獲れましたし、良い成績が残せたと思っています」と評価する。
「それができたのは、やっぱり今いる選手たちの力だと思うので、そこは大きく変えたくなかった。今いる選手とともによりステップアップして成長できるチームにしたいという思いで、新しい選手の獲得を考えていました」とオフのチーム編成の意図を語った栗原強化部長は、「我々が欲しいポジションに欲しい選手が来てくれた。非常に良いウインドーだった」と自己評価したが、その評価は多くの人の賛同を得るものだろう。
壇上に立った5選手の中に、松本泰志がいるのは大きな驚きだ。浦和に完全移籍をして1年で戻ってきた27歳のMFは、「正直、ここに座っていることに自分でもけっこうビックリしているんですけど、その分やらないといけない責任感を強く持ってきました。ピッチ内外でしっかりとサンフレッチェ広島に貢献できるように頑張りたい思いでいっぱいです」と、異例の移籍になったからこその覚悟を口にしていた。
田中聡がフォルトゥナ・デュッセルドルフへ移籍する話が進行していくなか、ボランチをターゲットにする必要性が出てきて、栗原強化部長にはずっと松本のことが頭の中にあったという。
「浦和であまり試合に絡めていないのもずっと気にしていて、このタイミングであればと思ってコミュニケーションを取っていくなかで、泰志自身もオファーをもらえたら広島でプレーしたいという思いを強く伝えてくれた」
もちろん、対外的なメッセージという意味でも、対内的なマネジメントという意味でも、一度移籍した選手が1年で戻ってくることは良いことではないかもしれないが、「泰志の思いとサンフレッチェというクラブは今まで築き上げてきたことも含めて決まった移籍だったのかなと思います」と栗原強化部長は捉えていた。
もう一人、この移籍市場で動向が大きな注目を集めた鈴木章斗の獲得が、最大のトピックスだ。
「移籍するのも初めてですし、不安もあってすごく悩んだところもありましたけど、このチームで優勝できると思ったので、このチームを選ばせていただきました」
悩んだ末の決断だったからこそ、覚悟は生半可なものではない。22歳のFWからはそのことが十二分に窺えた。背番号10を選んだのも「自分を成長させるため。自分にプレッシャーをかけるため」。日本代表になる。海外に挑戦する。その夢を追いかけていくためにも、タイトルを狙えてハイレベルな競争ができる環境を選んだと鈴木は言う。
「自分が将来、日本代表になるために広島で試合に出ることの価値の大きさをすごく感じた。大橋(祐紀)選手であったり田中聡選手のように僕も海外に挑戦してみたい思いもありますし、自分が上に行くためには広島の層の厚いフォワード陣の中で勝ち取らないといけない。厳しいスタメン争いですけど、そこから逃げたくないというか、そこから逃げてしまうと終わってしまうなと思ったので、選ばせていただきました」
戻ってきた松本の覚悟。さらに飛躍するため厳しい環境を求めた鈴木の覚悟。強い思いをもって紫のユニホームに袖を通す2人は、今年の広島を突き動かす大きな力になっていくに違いない。
残る3選手からも熱いものを感じる。松本から完全移籍した大内一生とユースからトップ昇格した小川煌は、日本を代表するGKの大迫敬介に挑戦する。もう一人のトップ昇格となったMFの小林志紋も「同じポジションには代表選手もいてすごくレベルが高いですけど、追い越していかないと試合には出られない」と、自分の立ち位置をしっかりと認識して一歩目を踏み出していく。
ガウル新体制はとても充実した面々が揃った状態でスタートを切る。
取材・文●寺田弘幸
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