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Web3時代の「賢いお金」ステーブルコインとは? 既存の電子マネーとの違いを銀行員が徹底解説【ステーブルコイン前編】#2

Web3時代の「賢いお金」ステーブルコインとは? 既存の電子マネーとの違いを銀行員が徹底解説【ステーブルコイン前編】#2

2章【必要性】: なぜ「安定した」お金が必要? お金の3つの役割

生徒:なるほど、1章で学んだように、悲劇の原因は「裏付け」のない設計図にあったんですね。そして、信頼できる「法定通貨担保型」こそが「光」をもたらす、と。

AI先生:その通りです。その「信頼できる裏付け」が「安定性」の源泉なのです。ではこの章では、そもそもなぜ、その「安定性」がお金にとってこれほど重要なのか、お金が本来持つべき「3つの役割」に立ち返って、その核心に迫ります。

お金が持つ「3つの役割」?

AI先生:そもそもお金には、「①価値の保存」「②交換の手段(決済機能)」「③価値の尺度」という3つの大切な役割があります。

例えば、八百屋さんで「このリンゴは150円」と値段が分かり(価値の尺度)、その150円でリンゴを買い(交換の手段)、使わなかった150円は明日もほぼ同じ価値で持っていられる(価値の保存)。これが当たり前にできるから、私たちは安心して経済活動ができるわけです。

ビットコインなどの従来の暗号資産は、先ほど学んだ3つの役割のうち、特にこの「価値の保存」の安定性に課題がありました。

そこで、この課題を解決するために開発されたのが「ステーブルコイン」なのです。

3章【比較】:既存の電子マネーとは似て非なるもの

生徒:お金が「①価値の保存」「②交換の手段(決済機能)」「③価値の尺度」という3つの役割を果たすために、価格の「安定」がいかに重要かを理解できました。ステーブルコインはそのために生まれたんですね。

図2:既存の電子マネー(スマホ決済/電子マネー)とステーブルコイン

生徒:でもAI先生、少し基本的な質問なのですが、日本には既に○○Payや交通系ICカードなど、円と1:1で価値が担保された便利な「電子マネー」が普及しています(図2)。

それら既存の電子マネーに対して、ステーブルコインならではの付加価値や、インフラとしての優位性はどこにあるのでしょうか?

AI先生:今ある既存の「電子マネー」で十分ではないか? そんな疑問が湧いてきますよね。この章では、それらとステーブルコインの「設計図」の決定的な違いを比較していきましょう。

「中央集権型」と「分散型」という設計図の違い

図3:従来型の中央一元管理とブロックチェーンによる分散管理のイメージ(出典:総務省「情報通信白書平成30年版」図表3-3-3-1)

AI先生:上の図3を見てましょう。多くの既存の電子マネーは、特定の運営会社が管理する「中央集権的(中央集権型)」なシステム上で動いています。

「AさんがB店で1,000円使った」という取引の記録は、すべてその運営会社のコンピューター(サーバー)に保存されます。いわば、運営会社という「信頼できる第三者」を介して、私たちのデジタルなお金は成り立っているのです。

一方で、ステーブルコインは、「ブロックチェーン」という、世界中のコンピューターが同じ取引記録を暗号化して共有・管理する「分散型」の技術を基盤に作られています。

生徒:中央集権型と分散型……。その設計図の違いで、何が変わるのでしょうか?

AI先生:大きく4つの違いが生まれます。

①相互運用性(決済アプリの垣根を越える)

例えば、ある決済アプリの残高を、別の決済アプリで使うことはできませんよね。でも、「イーサリアム」に代表されるパブリック・ブロックチェーン上で発行されたステーブルコインは、同じ規格に対応する世界中のどんな決済アプリやウォレットでも、原則として利用できます。特定の企業に縛られない、オープンな性質を持っています。

②グローバル性(国境を越える)

日本の電子マネーは、基本的に日本国内でしか使えません。でも、ステーブルコインは国境の概念がなく、インターネットさえあれば、世界中の誰とでも直接やり取りができます。

③パーミッションレス(イノベーションを加速させる)

中央集権的なサービスでは、新しい機能を追加するのに管理者の「許可(パーミッション)」が必要です。一方、分散型ではその「許可」が原則不要です(パーミッションレス)。つまり、誰でも既存のステーブルコインを「利用」して、新しいサービスや決済アプリを自由に開発できるのです。

④トレーサビリティ(追跡可能性)

最後に、ブロックチェーンの大きな特徴である「トレーサビリティ(追跡可能性)」です。取引の全貌は運営会社にしか見えませんが、ブロックチェーン上の取引は、参加者が共有する台帳に記録されるため、原則として誰でもその流れを追跡できます。この取引履歴の透明性は、企業の会計監査を効率化したり、マネー・ローンダリング(資金洗浄)対策にも役立つと期待されている、非常に重要な性質なのです。

AI先生:ただし、ここが非常に重要なポイントです。

誰でも自由にサービス開発はできますが、「お金を発行する」となると話は別で、そこには法律や信用の「裏付け」が不可欠になります。しかし、こうした制約がある中でも、Web3の「誰でも開発に参加できる」というオープンな性質は、世界中のイノベーションを促進するのです。

この「分散型」という特徴によって、ステーブルコインは、単なる決済手段を超えた、「プログラムできるお金(プログラマブルマネー)」としての可能性を秘めているのですよ。

生徒:驚きました! たった一つの「設計図」の違いが、決済アプリの垣根を越えたり、イノベーションを加速させたり……。単なる決済手段というだけではない、とんでもない可能性を秘めているんですね!

AI先生:その通りです。そして、その根幹には「ブロックチェーン」という共通の技術基盤があります。

この技術こそが、ステーブルコインを単なる「安定したコイン」から、契約を自動実行する「プログラムできるお金」へと進化させる鍵なのです。

配信元: ガジェット通信

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