年が明けても盛んにニュース報道されているのが、昨年12月28日に発生した、北海道小樽市の朝里川温泉スキー場での死亡事故だ。5歳の男の子が駐車場とゲレンデを結ぶ屋外エスカレーターに右腕や衣服を巻き込まれて窒息死するという、痛ましいものだ。製造元への取材で、エスカレーターには監視員の配置が必要だったことが判明しており、管理体制の不十分さが改めて浮き彫りとなった。
兵庫県香美町のおじろスキー場では1月3日、停電の影響でゴンドラが停止し、子供を含む利用客約20人が5時間にわたって宙吊り状態になるトラブルが発生。幸いケガ人はいなかったが、利用者の不安は計り知れない。
こうした事故の背景にはスキーブームの衰退と、スキー場運営の構造的課題が横たわっている。かつて1990年代に全国的なブームを誇ったスキーとスノーボードは、若者人口の減少や他のレジャーの台頭により、参加者数は1800万人から約450万人にまで減少。特にスキーは敷居が高いと感じる層が増え、昔のような賑わいは急速に失われつつある。
そうした状況下、現場の人手不足は深刻だ。リフト係やバス運転手などの確保が難しく、施設管理やツアー運行に影響が出ている。スキーツアーバスは2016年に軽井沢で発生した事故を受け、安全規制や運転時間制限が強化され、便数が減少。気軽にスキー場に足を運びにくくなったことも、利用者減少の一因となっている。
老朽化した設備の維持更新には数千万円単位の予算が必要だが、収益減少のスキー場では後回しになりがちで、点検や保守を最小限に抑えることが事故リスクを高める。こうして安全と運営の課題が複合的に重なり、悲劇的な事故が続発しているのである。
スキー、スノボ人気の衰退、人手不足、予算不足……複数の要因が重なった今のスキー場は、危うい状態が続いている。
(旅羽翼)

