「憧れるのをやめましょう」─。前回のWBCで世界一を戴冠した侍ジャパンは、再び同じフレーズを唱えて臨むべきだろう。なにせライバルの米国代表が「史上最強」のメンバーを招集しているのだ。だが、世界に誇る“二刀流侍”を擁する王者ニッポンは連覇の道しか見据えていない!
「大谷翔平(31)に世界のベースボールプレーヤーが挑む大会となるでしょう」
今年3月の第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の戦況をこう予想するのは、野球評論家の大久保博元氏だ。
ドジャースの大谷が、当時はエンゼルスの同僚だったマイク・トラウト(34)を空振り三振に斬って幕引きした前回大会から3年。とりわけ、雪辱の炎をメラメラ燃やしているのが米国代表である。
「米国人メジャーリーガーはプライドをかなり傷つけられたようです。投打にわたる二刀流の活躍で、ベースボールの“主役”が日本人の大谷に取って代わられた、象徴的な大会でしたからね。それだけに国の威信を取り戻すため、前回大会以上に“憧れずにはいられない”トップオブトップがすでに代表に選出されています。数年前から保険制度も整備されて、MLB球団も主力選手を送り出しやすくなった面もあるでしょう」(大久保氏)
現時点(25年12月25日現在)で発表されている米国の代表メンバーは、25年シーズンのMLBタイトルホルダーが勢ぞろい。
野手では、3度目のシーズンMVPを戴冠したアーロン・ジャッジ(33)、ナ・リーグ本塁打王のカイル・シュワーバー(32)、ア・リーグ本塁打王で捕手のカル・ローリー(29)。投手では、それぞれのリーグでサイ・ヤング賞を戴冠した右のポール・スキーンズ(23)と左のタリック・スクバル(29)、ナ・リーグ奪三振王のローガン・ウェブ(29)を筆頭に“ドリームチーム”が編成されているのだ。メジャーリーグ評論家の友成那智氏が解説する。
「他国の代表チームでは、3〜4年前にピークアウトを迎えた選手が幅を利かせているのですが、米国代表はそれぞれのポジションに『今が旬』の選手が選出されている印象です。オフェンス面では、過去3シーズン連続で“三塁打王”のコービン・キャロル(25)、ショートで2年連続シルバースラッガー賞のボビー・ウィット・ジュニア(25)もいて、一発だけでなく、1点が欲しい時に機動力も発揮できるメンバーがそろっています。ディフェンディングチャンピオンの日本代表でも、3点以内に抑えるのは至難の業でしょう」
強力な打棒をそろえる一方で、守備も疎かにしていない。セカンドのブライス・トゥラング(26)は24年、先のウィット・ジュニアは25年にプラチナ・ゴールド・グラブ賞を獲得。外野手のピート・クロウ=アームストロング(23)も25年にゴールドグラブ賞を受賞するなど、内外野ともに鉄壁の陣容なのだ。
「昨季60本塁打のローリーは、捕手としてのフレーミング技術やブロッキングも超一流。24年にプラチナ・ゴールド・グラブ賞に選ばれています。先発候補のスキーンズとスクバルは、160キロ超のストレートと落ちるボールのコンビネーションが圧巻、ウェブも日本ではほとんど見ないシンカーボーラーの第一人者です。相手打線はロースコアを覚悟しなければなりません」(友成氏)
侍ジャパンが米国代表と対戦するのは「決勝ラウンド」の準決勝以降となる。井端弘和監督(50)率いる侍ジャパンの17 年ぶりWBC連覇は、“MLB米国オールスターズ”をどう迎え撃つかにかかってくるだろう。

