これまで当たり前のように見かけた中国人観光客の姿が、日本各地で激減。中国政府が自国民に「日本は治安が危なくなっている」などとウソの情報を流し、渡航自粛を促した結果、約54万件ものキャンセルが発生したと報じられている。
もちろん、これは高市早苗総理の台湾有事発言に対する中国の反発と嫌がらせによるものであり、かなりのキャンセルがあったホテルなどの宿泊施設にとっては災難だ。しかし見方を変えれば、日本人にとっては旅行に出かけるチャンスといえる。
中国人宿泊客の利用が多かった温泉旅館の副支配人が言う。
「中華圏の正月にあたる春節は、今年は2月15日から23日になりますが、この期間を中心に、2月だけで数百件分のキャンセルが出ました。早い段階でキャンセルになったため、なんとかその大半を新規の予約で埋めようとしていますが、宿泊料金を下げざるをえなかったので、当初ほどの利益は見込めません」
「楽天トラベル」や「Yahoo!トラベル」などの大手旅行サイトを調べてみると、春節の時期とちょうど重なる2月21日から23日の3連休でも、2名の素泊まりなら1泊1万円から1万5000円程度で見つかる。しかも場所によっては、それ以下のところもあった。
そもそも宿泊料金は、空室状況や過去の同時期の稼働率、現地でのイベント有無など、様々な情報を反映させた上で設定。ただし、中国人客からの大量キャンセルが発生した宿泊施設の中には、
「昨年の春節期間中よりも1泊2名で数百円から1000円前後は安く設定しています」(中堅ビジネスホテルチェーン)
あるいは、
「1部屋2名から3名の1泊2食付きの場合、2000円ほど安くなっています。ウチはもともと中国人のお客さんが多く、キャンセルも結構あったので…」(北関東の温泉ホテル)
このように、値下げを認めたところもあった。
裏を返せば、安く旅行をするチャンスということ。宿泊費の高騰などを理由に旅行に二の足を踏んでいた人にとっては、かえって好機と言えそうだ。
(高島昌俊)

