東京オートサロン2026の会場で、佐藤琢磨がウイリアムズFW11・ホンダに乗り込んでデモ走行。会場に詰めかけたファンを魅了すると同時に、本人も多いに楽しんだようだ。また、今年F1に復帰予定のホンダについての期待も語った。
東京オートサロンでは、昨年のホンダRA272のデモ走行に続き、今年はウイリアムズFW11のデモ走行が行なわれた。このFW11は、ホンダのF1初勝利60周年を記念してフルレストアされた車両。エンジンはもちろんのこと、車体もウイリアムズの協力より特別なメンテナンスが実施され、昨年のグッドウッド・フェルティバル・オブ・スピードと、モントレー・カー・ウィークで走行を披露した。グッドウッドではナイジェル・マンセルが、そしてモントレーでは佐藤琢磨が、それぞれドライブを担当している。
佐藤はモントレーに続いて、東京オートサロンでもドライブを担当。当初コースを3周する予定だったところ、4周と1周多く走り、ファンを沸かせた。
マシンから降りた瞬間、佐藤は興奮気味に語り始めた。
「手が痺れるし、前が見えないよ!」
そう語る佐藤。百戦錬磨の佐藤にとってもFW11のパワーは、驚かされるモノであったようだ。
「ストリートでこのマシンを走らせるのは、怖いくらいですね。いわゆるドッカンターボで……でもそれが嬉しくて、涙が出てきた」
「がんばって4速まで入れたし、みなさん楽しんでくれたと思う。でもこのマシンはやばいね。水温見たらまだ低かったし、時間も大丈夫そうだったので、予定より1周多く走りました」
「しかし、(エンジンカウルの)パワード・バイ・ホンダのロゴが誇らしげだよね。当時自転車に貼っていました」
佐藤はその後、エンジン始動デモだけの登場だったマクラーレンMP4/6・ホンダのコクピットに乗り込み、スロットルペダルを操作。ホンダV12サウンドを幕張の空に響かせた。そこで佐藤は、こんなマル秘エピソードを披露した。
「このマシンって、(ゲルハルト)ベルガーが乗った車両なんだけど、スロットルがすごく軽いんです。それについて訊いたところ、基本的にはベルガー車なんだけど、フルレストアする時に、(アイルトン)セナが使っていたリターンスプリングを使ったみたいです」
MP4/6は、現状のままでは走行することができない。走るためには、マクラーレンなどでフルレストアの作業を受ける必要がある。もし走行可能だった場合には、いわゆる”セナ足”を披露すると、佐藤は約束した。
そして今季からF1に復活するホンダへの期待感も語った。
「開発の進捗は、僕にもわかりません。HRC Sakuraの中を歩いていても、F1の開発をやっているところは全てパーテーションで囲まれて、見えないようになっています」
「でも、チャレンジするところがホンダです。今年からパワーユニットが大きく変わりますけど、そこに挑戦するところがホンダのすごいところ。ホンダはエンジン屋さんですけど、今度はバッテリーも世界一を目指しています」
「(新たなパートナーとなるアストンマーティンには)エイドリアン・ニューウェイもやってきました。彼が来たのはビッグボーナス。誰もが彼と働きたいから、そういう人たちが集まってくる。アストンマーティンも含めて、気持ちはひとつになっていると思いますよ」
「もし最初にうまくいかなかったとしても、ホンダはいつか絶対にチャンピオンを獲りますよ。過去を見ればそうですから。今回も絶対にチャンピオンになります」
既にアウディがシェイクダウンを行なうなど、F1の2026年シーズンが始まった感もある。そして今月末にはプレシーズンテストが行なわれ、3月には開幕。3月末にはF1サーカスが日本にやってくる。
佐藤は2026年シーズンへの期待感について、次のように語った。
「クルマが細くなるので、鈴鹿のS字は、ちゃんとラインを取って走れるようになると思いますよ。マシンも変わるので、ドライバーのミスも誘いやすくなるはず。ダウンフォースも小さくなって、タイヤのもちも悪くなるかもしれない。ひとつのスティントをどう戦うか、そういう戦略も面白くなると思いますよ」
「そしてユウキ(角田裕毅)にはスタンバイしておいてもらって、『いつでも乗れるぞ!』という状態にしておいてほしいですね。そしてみなさんの応援があれば、大丈夫だと思います」

