現地時間1月7日、バレーボールの欧州クラブ王者を決定する2025-26シーズンCEVチャンピオンズリーグ(CL)の4回戦グループステージ・ファーストレグ第2戦が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するシル シコマ モニーニ・ペルージャ(大会担当スポンサーをクラブ名に表記)は、スペインリーグのグアグアス・ラス パルマスとアウェーで対戦。セットカウント3-2(25-23、25-20、22-25、16-25、15-10)で勝利を収め、同ラウンド2勝目を挙げた。
新年初陣を白星で終えたミラノ戦の翌朝にスペインへ移動したペルージャは、昨年12月の初戦に続く勝利を狙い先発OHに2試合連続で石川を起用。その対角に元ウクライナ代表・オレフ・プロトニツキ、司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリと元チュニジア代表ワシム・ベンタラ、MBに元アルゼンチン代表セバスティアン・ソレとイタリア代表ロベルト・ルッソ、Lは元イタリア代表マッシモ・コラチで布陣を組んだ。
〈S:セッター、OH:アウトサイドヒッター、OP:オポジット、MB:ミドルブロッカー、L:リベロ〉
対するスペインリーグで現在首位のラス パルマスは経験豊富なベテランが顔を揃える。20代はリベロのみで、元イタリア代表OHオスマニー・ユアントレーナと元スペイン代表Sミゲル・アンヘル・デ・アモが40歳。ほかに30代前半の元アルゼンチン代表MBマルティン・ラモス、元ベルギー代表OHトーマス・ルソーらが主力を務める。
第1セット、ペルージャは石川の1打目が被ブロックとなった後、ラス パルマスにエースを許して前半をビハインド3点で終える。後半にサーブで相手の攻撃ミスを誘うなどして1点差へ迫るが、エンドライン際へエースを決められて18-20へと押し返される。
そこからペルージャのベンチが動く。まずOH1枚を石川からポーランド代表カミル・セメニウクに替えた後、OHドノヴァン・ジャヴォロノク(チェコ共和国)をリリーフサーバーに起用してブレーク。21-22から終盤の勝負どころで強さを発揮するジャンネッリのサーブがエースとブロックをもたらし、逆転に成功してそのまま逃げ切りセットを先取した。
第2セットは開始からコートへ戻った石川がレフトからクロスへ強打を沈め、難しいハイボールをスペースへ流し込んだ直後にエースを決めてリードを呼び込む。中盤以降、ブレークを繰り返してリードを広げ、石川のプッシュで握ったセットポイントをジャンネッリのツーでものにして白星へ王手をかけた。
勢いのまま試合を決めると思われたペルージャだったが、第3セットはスタートからレセプションの乱れから追いかける展開が続く。1点差へ詰め寄った中盤も3選手に連続でサーブミスが出て流れに乗り切れない。好守や精巧な2段トスでチームの背中を押し続けた石川が終盤にレフト攻撃2発で奮闘し、20-21とする。だが、直後のノールック弾がラインを割ると続くプロトニツキのバックアタックもコートを外れてしまい、このセットを譲り渡した。
仕切り直したい4セット目もベンタラの誤打と相手のエースで早々にビハインドを抱えると、以降も石川、プロトニツキとベンタラにアタックミスや被ブロックが相次ぐ。石川をジャボロノク、プロトニツキをセメニウクに替えて後半の巻き返しにかけるが、相手の固い守備に阻まれ戦況は変わらず。13-20で迎えた終盤には、ジャンネッリをベンチへ下げて18歳のブライアン・アルジラゴスを投入するも、大きく開いた点差が重くのしかかりフルセットへ持ち込まれた。
先発メンバーで最終セットに臨んだペルージャは、石川のレフト攻撃でリードを2点とするも粘るラス パルマスに逆転を許してコートチェンジ。しかし、そこからチームのギアを上げたのが石川だった。3セット目途中から出場のMBアルゼンチン代表アグスティン・ロセルの一打で8-8とした直後に強烈なクロス弾でサイドラインを捉え、さらに自身がつないだリバウンドをレフトから鋭角に叩きこみ10-8へ形勢を一転させる。
ラス パルマスはたまらずタイムアウトを取るが、ペルージャはタッチネットで献上した1点を相手の誤打で取り戻すと、プロトニツキの好守を石川がまたも豪快なアタックで得点に変えて13-10。この威力満点の打球にディグを大きく弾かれた相手OHユアントレーナは両手を広げてお手上げの表情を見せた。そして、石川と跳んだ2枚ブロックでマッチポイントを呼び込んだソレが決勝点。ペルージャがグループラウンド2連勝を飾った。
16得点(アタック15、エース1)を挙げた石川は、我慢の時間を過ごしていた攻撃で正念場の第5セットに、らしさ満点のパフォーマンスを披露。決定率を71%へ引き上げたアタックで15得点の3分の1にあたる5得点を稼ぎ出して勝利に貢献し、起用を続けたチームの期待に応えた。
試合後のクラブ公式インタビューで石川は、「なかなか難しい試合だった。僕らがアタックで苦戦する一方、相手は守備がとても良かった。相手はホーム戦だったことを味方につけて良いプレーをしていて、リズムに乗ると面倒な相手だった。僕らはセット序盤に2、3点のビハインドを負う戦いになったが、最後はその状況を解決して勝利することができた」とアウェーで制したフルセットマッチを振り返った。
長距離移動を要する国外遠征の後、帰国から中2日ですぐに伊リーグ後半4節が待ち受けるペルージャ。アンジェロ・ロレンツェッティ監督は、「練習時間を持てずレベルアップを試みることができない今、大切なことはチームが平常心を保ち一丸となってこの時期を過ごすこと。そして、選手たちがすでに実行している通り訪れる試合へ力を注ぐことだ」と述べている。
次戦は日本時間1月12日。リーグ2位のペルージャは勝点差4で4位につけるヴァルサグループ・モデナをホームで迎え撃つ。
構成●THE DIGEST編集部
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