「最後の目撃情報」から50年。その町は再び「獣人騒動」でにぎわっている。
〈比婆山山ろくで〝類人猿〟騒ぎ〉
中国新聞がそんな見出しで、広島県北部と島根県の県境にある比婆郡西城町(現在は庄原市)周辺で、たびたび出没するという獣人UMAについて報じたのは、1970年8月26日だった。当時の報道によれば、道路を横切り、林の中に消えたゴリラのような怪物が目撃されたのは、7月20日夜8時頃。目撃したのは、中国電力六ノ原ダム付近を走行中の、トラックドライバーだった。
すると3日後の7月23日にも、町で農業を営む男性が草むらの中で、全身が黒い毛で覆われた、大人ほどの背丈がある獣人を目撃したとして通報。30日にも水田を歩いていた男性が、ゴリラそっくりの怪物を発見。その後もダム周辺で、同様の生物の目撃談が相次いだ。
この「謎の黒い大猿」は「ヒバゴン」と名付けられたが、ひと目見ようと、日本中から見物客が殺到。町役場には連日、メディアをはじめ研究機関関係者などが押し寄せ、比婆山連峰を望む静かな町が一変、ハチの巣をつついたような大騒ぎになったのである。
そこで町役場では「類人猿相談係」(通称:ヒバゴン課)を設置するなどして対応にあたったが、1974年10月、県道での目撃談を最後に、ヒバゴンに関する情報が途絶えてしまう。
翌1975年3月、町役場は「ヒバゴン騒動終息」を宣言。その存在はしだいに伝説と化していった。その後は町のキャラクターとして、さらにシンボルとして町民に親しまれてきた。
そして今、2024年3月ごろから再び「ヒバゴンを見た」との通報が相次いでいるのである。地元メディア関係者が言う。
「目撃情報によれば、その獣人は身長175センチ程度で、手足が細長く、全身を毛に覆われていたといいます。この地域にはニホンザルが出没し、農作物を食い荒らす被害が出ているのですが、目撃者は『それとは明らかに違っていた』と証言している。他にも『ニホンザルではない、大きなサルを見た』『大きな黒い影を見た』といった証言があり、50年の時を経たヒバゴン目撃情報に沸いています」
庄原市西城町では昨年、初の騒動から実に54年ぶりに「類人猿相談係」を復活させた。ヒバゴンに関する情報を収集し、発信しているが、今度こそ獣人UMAの正体は解き明かされるのか。研究者も「令和のヒバゴン捕獲」に期待を膨らませている。
(ジョン・ドゥ)

