テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。
本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。
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講習会である選手から質問のあった“メンタルタフネス”について考えてみたいと思います。
ある大学テニス部の指導者いわく「自分自身をコントロールできないのに、ボールをコントロールできるはずがない」。ある大学野球部の指導者いわく「野球以外でのルールも守れないのに、チームの再建は難しい」。皆さんは2人の監督さんの言葉をどのように受け止めますか?
実際の現場において、いつも明るくて堂々としたプレーを披露し、窮地に追い込まれても、決して諦めずに勝利する選手を見ていると、技術面だけでなくメンタル面も強いと誰もが評価します。その選手は成功体験を重ね、簡単ではないけれど次のステージへと進んでいくのです。
ところで皆さんは、メンタルに強い弱いがあると思いますか?
筋力に強い弱いはあります。足のスピードにも速い遅いはありますが、メンタルには強い弱いはありません。筋力やスピードに優れた選手でも“脳の処理の仕方”即ち脳のコントロールがうまいか下手かで結果は大きく変わるのです。
メンタルタフネスとは、スポーツで考えてみると、自分の持てる実力を遺憾なく発揮するために心理状態を良い方向に変えることができる能力(考え方)のことです。この能力は、人間誰もが持っているもので学習と経験によって磨かれていきます。
磨くためには「高い意識」が必要です。「格上の相手と戦う」「この試合は絶対落とせない」。これらの思い(感情)はプレッシャーとして捉えてしまいやすいですが、楽に考えることによって大きなエネルギーにも変換できます。そこで意識してほしいことが主に3つあります。
まずは、①ポジティブ思考であること→考え方が前向き。次に、②他人と比較しないこと→的確な自己評価。そして、③自尊心が高いこと→自分の存在そのものに価値がある。
これらの要素が自分を育てるのです。そのためには人の話の本質を捉え、スマートフォンで検索し、ポジティブな人をマネるなどがあります。しかしメンタルを学習したあなたは、自己コントロールができるので大丈夫だと思います。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2025年5月号から抜粋・再編集
【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子
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