全米女王に勇気を与えた日本人スケーターの友情が脚光を浴びている。
2026年ミラノ・コルティナ五輪の米国代表最終選考会を兼ねたフィギュアスケート全米選手権は現地1月9日(日本時間10日)、米ミズーリ州セントルイスで女子フリーが行なわれ、アンバー・グレンが合計233.55点を挙げ大会3連覇を達成した。試合後には現役続行を表明したばかりの23歳スケーターとの交流を明かし、小さくない話題を集めている。
ショート首位で迎えた26歳のグレンは、冒頭の大技トリプルアクセルが回転不足と判定されるも、その後は安定したジャンプを披露。ステップやスピンでも着実にGOE(出来栄え点)を加点する。フリーは150.50点を記録し、逃げ切りVを決めると隣に座るコーチとハグして歓喜の涙。ミシェル・クワンの8連覇(1998年~05年)以来となる女子シングルV3を成し遂げた。
試合後の記者会見でグレンは3連覇の喜びを語るとともに、友人である渡辺倫果からショート後にメッセージを受け取っていたことを明かした。「実はショートが終わった後、日本の友達であるリンカから祝福のメッセージを届いたの。『なんて優しい子なの!』と思ったわ」と声を弾ませた。
グレンと渡辺は今季のグランプリシリーズ中国大会に出場。優勝はグレンで渡辺は3位に入り、2人とも表彰台に上がった。さらに同シリーズのポイントランキング上位6人までに入り、12月のグランプリ(GP)ファイナルに駒を進めた両選手は開催地である名古屋で再会。ともに表彰台は逃したが、互いにトリプルアクセルを武器にレベルの高い演技を披露。練習の合間には英語で雑談するなど交流するシーンがたびたび見られた。
「彼女は本当に優しい子よ。リンカも素晴らしいプログラムで今季を戦い抜いたと思うの。全日本での演技を観て、勇気をもらえたわ。だから自分の演技をやりきることができたと思うの」
渡辺はGPファイナル後、ミラノ・コルティナ五輪の日本代表最終選考会を兼ねた全日本選手権に出場した。ショート、フリーで大技トリプルアクセルを3本着氷する会心パフォーマンスをみせる魂の演技を披露。すべての力を氷上にぶつけたが、結果は7位。あと一歩で五輪代表を逃した。
試合後は「今シーズンいっぱいで引退を考えていた」と明かし、進退について明言を避けていたが12月28日に来季以降の現役続行を自身のインスタグラムで表明。2030年の冬季五輪を見据え、今後4年間フィギュアスケートに取り組んでいく決断をした。
グレンも渡辺のSNSをチェックしたそうで「リンカがあと4年続けると聞いて嬉しかったわ。アメリカも日本も選手層が非常に厚くて大変だけど、互いに切磋琢磨していきたい」と話し、渡辺の現役続行にエールを送った。
構成●THE DIGEST編集部
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